武家の女性の凛とした生きざまを描く短編集。
時代小説にハマっている「好奇高齢者」の80歳の爺です。
お題「読書の秋にオススメの小説は?」に参加しました。
剣豪もの、捕り物、市井・長屋の人情劇など、
時代小説のジャンルにはいろいろあります。
筆者の好きなのは「武家もの」です。
日本人の精神史形成の血筋になっていた「武士道」
そして「武家」に生まれた女性、嫁いだ女性たち。
夫に仕え、義母に仕え、家を守って生きる。
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描かれている11篇の女性たちはみな「下級武士」の家筋です。
その女性たちが、貧しくても、禄高は低くとも、
自分を見失わず凛と生きる姿が美しい。
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武家の時代に男は命をかけて「主家」に仕える。
男・夫を支えていた妻や女たちも献身的に、ときには、
凛として「犠牲的」生涯をつらぬいた妻子もいた。
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本書は「つつましくけなげに生きてきた」
武家の妻女たちの生き様を編んだ短編集です。
現代女性には「えっつ、そんなのな~い」と、
考えられないようなところもあるのですが、
描かれている女性はひたむきで美しいです。
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今様の感覚で言えば、
いろいろ「突っ込み」はあるでしょう。
まあ、読んでみてください。
書店に行けば文庫版で廉価で買えます。
筆者の蔵書は配偶者が同居するようになった時、
持っていた昭和33年発行の「新潮文庫」です。