たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

「麒麟がくる」感動のフィナーレ。光秀は謀反人ではなかった

2021-02-09 11:30:24 | Weblog
令和3年2月9日 「麒麟がくる」が7日の放送で終わりました。
「本能寺。我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す」――
「十兵衛。そなたが、そうか、十兵衛であれば、是非もなし」――





最終幕のクライマックス「本能寺の変」が感動ものでした。

寺の門前に騎馬武者姿で立つ長谷川博己・明智十兵衛光秀。
寺の背後に立ち上る煙と炎のを見上げている
太平の世を司る麒麟だと夢見た「主君・信長を打つ」ことになった、
暗澹たる悲しみの相貌は暗かった。
光秀は謀反人ではなかったのだ。



「信長さま、光秀は貴方様と、万民平らかな大きな国を造りたかったのです」
なのに、なのに、麒麟ではなくなりました。
撃ちます、辛いです。
長谷川博己さん、素晴らしい光秀像を演じてくれました。



魚を捕って小舟で初登場した染谷奨太、童顔の織田信長には笑いました。
戦闘好みと剛腕で瞬く間に戦国武将のトップに君臨します。
大虐殺、朝廷、足利幕府も意のままにする凶暴な麒麟になりつつあった。



正妻の帰蝶(川口春奈)が光秀に言う。
「信長を育てたのは父(斎藤道三)であり、背を押したのは貴方です」
「止めるのは貴方しか居ません」



その信長、「光秀、愛いな奴め」、近ごろ意見ばかりしくさる……と。
信長の神経に悪戯心が生じた「秀吉の戦に応援せよ」。
光秀にとっては「全く意味のない戦」だった。



騎馬音や馬のいななきに目覚めた染谷奨太の信長。
本能寺を取り囲む軍団を光秀軍と知って言う。
「十兵衛、そなたが、そうか、ハハハ。十兵衛か」
「であれば、是非もなし」。
炎に包まれた「本能寺の奥書院」で伏せる信長、
最期を迎えて、童顔に戻ったように見えました。



「十兵衛、そなたが私を……」
わしを、こんなにしたのは、十兵衛そなたではないか。
「大きな国か……」



光秀が願った麒麟がくる「万人にとっての健やかなる世」
跡を継いだのは麒麟とは非なる世故に長けた、
百姓上がりの、黄金好みの俗人・秀吉だったとは皮肉でした。


百姓から関白までにのし上がった秀吉も麒麟ではなかった

群雄割拠の戦国の世、信長が捏ねて、秀吉が纏めて、
美味しく頂いたのが「徳川家康」と言われています。
写真は13日の再放送のテレビから撮影しました。



麒麟は来たのでしょうか。
未だ現れていないというのが正解でしょうか――
森会長に「引導を渡す」令和の光秀は居ないのでしょうか――