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中国一、子供が誘拐される街1

2007-04-20 17:53:17 | Weblog
今回は、おそろしい事件の話です。でも本当の話です。しばらく続きますが、おつきあいください。(もしかしたら、この記事を書いた後、ブログがしばらくアクセス不能に陥るかもしれません。以前、中国の暗部を書いた記事の後、しばらくブログのアクセスが外部からできなくなりました。事情は定かではありませんが、それが偶然の出来事だったことを祈ります)

写真は昆明のバス停留所の「尋ね人」のポスター。多くが年端もいかない子供を捜すためのものだ。薄いコピー紙に子供の写真と名前、年齢、失踪日時が記されている。親や親戚が一枚一枚、貼って回る私的なポスターなので、翌日にはたいていはがされている。

【300名以上の子供が消え・・】
 2004年4月の新聞に、子供の写真を持った50人以上の親たちのデモ行進の記事があった。「ちょっと目を離したすきに子供が消えた」「学校の帰り道に行方不明になった」と警察に訴えている。昆明についたばかりの私にはあまりにも日本の常識からはかけ離れた事件なので、そのデモの意味すら頭に入らなかった。

 その3ヶ月後の7月21日
「100日間かけて、児童を誘拐して売買する犯罪を打撃する」
 との見出しで新聞各社は一斉に児童誘拐事件を掲載した。北京発の中央電視台(中国唯一の国営放送。日本のNHKのようなもの)のテレビニュースでも「昆明市の児童誘拐が突出している」というニュースを伝え始めた。

 それによるとなんと、2000年以降だけでも、昆明市内の児童失踪数は352名を数えるという。4月のデモは氷山の一角だったのだ。

 とくに連れ去りが多いのが金星、福徳、厳家地、小バイ、テン池路地区、という。厳家地は私達の宿舎のある地区で、そこからバスで20分程行くと田園風景から別荘地、やがて市のはずれであるテン池へと辿りつく。

 これら地域の共通点は、経済発展に伴って市が急速に拡大した結果、現在、開発途上の周縁部だということ。アスファルトで固められた6車線道路が田畑の真ん中にでき、役所関係の立派な施設が次々と造成され、不動産会社によって先行開発された富裕層向け大型マンションが作られる。
 その周囲には、必然的に開発のために集められた労働者のための、今にも崩れそうなレンガ造りのアパートと、小さな食堂、市場という、急ごしらえの町が出来上がるのである。(つづく)
コメント (2)
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