雲南、見たり聞いたり感じたり

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雲南めぐり●市場から2

2007-11-02 10:10:37 | Weblog
写真は市場で静かに‘時’を待つ食用カエル。

【市場に並ぶもの】
 昆明の大型の市場の建物内部は、コンクリートで打たれた床と、そこから立ち上がる幅一メートルほどの細長いコンクリートのテーブルで出来ていた。売り場を区画ごとにおおまかに区切り、種類ごとにわかりやすく並べられていた。

 漬け物や豆腐、味噌、唐辛子類、こんにゃくなどを置いた加工区、野菜区、肉区(牛、豚、鳥、羊など細かく分かれている)、魚区などの中心となる区と、それらを囲う形で麺屋(小麦麺、米麺など)、豆屋(大豆、緑豆、米など)、金物屋、果物屋などがあった。

 野菜区には、じゃがいもなどの常設の野菜のほか、いつもは空いている臨時のスペースに、春なら山菜、夏、秋ならキノコや蜂の巣などが日本では考えられないほどの豊富な種類でどっさりと並ぶ。これらは野生のものなので、他の野菜に比べると高めの値段となっているが、ちゃんと一日で売り切れていた。これらをねらうには夜明けに採れたものを持って行く朝方か、日中に採取したものが並ぶ夕方がよい。日中には売り切れてしまい、手に入れることができないのだ。

 また日本の一〇〇円ショップ向け製品が陳列された「一元(約一六円)ショップ」や「五角(約八円)ショップ」もあった。

 日本と違うのは、にわとり、うずら、あひる、うさぎ、すっぽん、蛙、魚、へびなどが活きたまま売られているところだ。冷蔵設備のない市場ではもっとも理想的な販売法なのだろう。

 ただし、雲南についた当初はこの活きたまま売られる区画が怖かった。人々は大人の鶏なら足をしばって逆さに持って歩いていくし、ヒナならかごごと運んでいく。「ピヨピヨ」という甘い声が哀れに響いた。

 どうしても食べ物になるとは思われず、「無事に成仏してください」と祈りながら、生き物の活気に気圧されないように一歩一歩力を込めて通っていたのであった。
コメント
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