雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

1雲南の漢方薬・三七①

2009-08-02 22:05:13 | Weblog
【金(きん)でも換えられない貴重や薬】

 昆明から雲南省西南部へ向けて車を走らせると、あきるほどのトウモロコシ畑と林が続きます。ところが文山地区へと入ると急に、風景が一変。林をばっさりと刈り取って、北海道・美瑛の美しい丘の並びの両側をぐっと押しつけて凹凸を大きくしたような丘また丘となるのです。

 その景色は異様で、巨大な茶色い絨毯が斜面をなだらかに覆ったような姿にも見えます。キノコか何かを育てているらしい茶色のムロのよう。興味を持って近づくと、そこには立派な看板があり、「三七の栽培基地」と書かれていました。

「三七」とは日本では「田七」という名で知られる高級漢方薬のこと。高島屋の薬局では80グラムを1万円~2万円で売っています。日本で知られる効能は、代謝機能を高めることによる肥満防止、肝炎、高血圧予防など。

 日本での知名度はまだまだ低いのですが、中国では古くから高麗人参なみに大切に扱われてきました。

 明代に李時珍が書いた『本草綱目』には「一切の血病に効く」として、その効能の確かさと貴重さから別名を「金不換」と記されています。この産地が雲南省の「文山」周辺で、ここだけで世界産出量の八五%をまかなっているのです。(残りの15%は地続きのお隣、広西壮族自治区)         (つづく)

*夏です。今年は中国麺紀行の旅、を企画していたのですが、日本は新型インフルエンザ、中国は政情不安のため、受け入れ先が不安がり、やむなく中止になりました。そこで、日本で外様の麺文化を見事に地域の文化へと昇華させてしまう、不思議な地域・盛岡へ行くことにしました。冷麺、わんこそば、盛岡ジャージャー麺など、食べ歩いて見たいと思います。そのため、来週の更新はお休みします。
*あと、感想など、どしどし、お寄せください。お待ちしております。


コメント
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