写真上はリューベックのレストラン「シファーゲゼルシャフト(Schiffergesellshaft)」の外観。建物の最上部には船の模型、中段には1530年の文字と船の絵が掲げられている。この店の道をはさんだ向かいの教会は、船で難破し、亡くなった方々を供養する教会が建てられている。
写真中は、そのレストランの天井。様々な中世からの船の模型やランタンがぶら下がっている。
写真下は、店の名物。カツレツ。肉のうまみと塩味のバランスが絶妙。もちろん、揚げたて。
【英語は風の音?】
夜、かつての船員組合の建物だった「シファーゲゼルシャフト(Schiffergesellshaft)」という名前の老舗のレストランにいきました。1866年に金銭上の都合で船員組合が売りに出したために今日までレストランとして残った建物です。ほの暗い建物の天井からは様々な船の模型がつり下がり、木の横長につながった椅子にも船な何かの名前の彫り物がカラフルに彫られていてなんともステキな空間が広がっています。
ここでブレーメンまでの習慣に従って英語で人数を告げ待つこと10分。入り口の番頭風の黒ジャケットのおじさまと目まであったのにナンの変化もなし。
ところが次に来た客がすんなり案内されたのを見て、あわてて『一人歩きのドイツ語』の本を片手にドイツ語を発すると、おもむろに番頭さんは笑顔で、席に案内する人を呼んでくれたのでした。
その後、日本人とわかると、奥から紅顔の青年がはずかしそうにやってきて「私は日本語を勉強しています」といってメニューを見ながら説明してくれました。
つまり、英語対応はできなくて日本語対応の備えのある店だったのです。翌日も同じ店を訪れると、とても喜ばれ、常連さんのいる奥の部屋に案内してくれました。
さらにその奥には、かつて取引があったらしく、ハンザ同盟時代のスルタンの手紙が飾られていました。
人々も次々とハイペースでジョッキのビールの飲み干す人々がたくさん。
横に座っている方は女性2人組です。あまりにもおいしそうに飲み干すので同じもの、とウエイターに告げるべく、見ていたら目があい、お互いにご挨拶。とても居心地のいい空間で、質のいい油で揚げたカツレツの香りが漂い、おなかの心も大満足のお店でした。
日本と違ってすごいのは、みんなビールの杯を重ねているのに陽気にはなっても、お酒に飲まれている人は見当たりませんでした。アルコール分解能力が高いのでしょう。ベルギーのビールよりアルコール度数が少なく、5%程度だったことも関係があるのかもしれません。
(日本と同程度。そもそも日本のビールはドイツの製法からきたものが多い。)
(つづく)