とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

大人の時間はなぜ短いのか

2009-01-06 23:02:34 | 呟き
知り合いのHさんの友達が書いたというエッセイがメールで来たのでちょっと調べてみた。

「トシをとるに従って年々時がたつのが速くなる。
小学生時代の6年間のあの時間のとてつもない長さが懐かしい。
物質的には確かに同じ1年なのに・・・どうしてこのような時間が過ぎる速さが
異なるのか、不思議なことであるが、ちょっと考えれば簡単なことである。・・・」以下略

出だしはかなり興味を引いたが、内容的にはちょっと難しいエッセイだったので自分なりにわかりやすい理由を調べてみた。

よく言われるのは「10歳の1年は人生の10分の1。30歳の1年は30分の1。ゆえに年をとったほうが早く感じる」という説である。でもちょっと納得できないような気がする。年齢を分母にする考え方は“ジャネーの法則”と呼ばれるものだそうだが、同じ30歳でも、人によって時間の感じ方は違うし、科学的研究では重要視されていないらしい。

この件については『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書刊)という本が出ており、時間評価に影響を及ぼす主な要因としては次の4つが挙げられていた。

・身体の代謝
代謝が高まると時間をゆっくりに感じる。1日の内でも代謝の関係で午前がゆっくりで午後が速く感じられるものだそうだ。代謝は加齢に伴い低下する。年を取るほど時間経過を速く感じる一因。つまり子供時代は身体の代謝が著しいから時間が長く感じられ年を取ると短く感じるということになる。

・心的活性度
緊張や興奮によって時間経過は速く感じられる。実験ではクモ恐怖症の人をクモと一緒の空間に閉じこめると時間が長く感じられたそうだ。たしかに恐ろしい経験をする時はとてつもなく長く感じる。ジェットコースター等に乗ったときも僅かな時間なのに永遠に続きそうな長さを感じる。

・時間経過への注意
時間を気にすると長く感じられる。時間経過への注意が時間を分節化してしまい、分節化された時間帯の数を多く感じることで、長いと感じるのではないかという仮説がある。つまらない話を聞いたり、嫌なことをしている時間は長く感じる。

・他の知覚様相の状態
広い空間では時間はゆっくり。刺激が多い時間は速い。受け取る情報に脈絡やまとまりを感じていると速く感じる。子供のときは体も小さいので空間が広く感じることから時間がゆっくりになるのかもしれない。また、情報に脈絡やまとまりを感じているということは楽しいとか嬉しいという感情の状態であると思われ時間の経過が早いのだろう。

これらは全て現象でありはっきりとした理由とはいえない。要するに科学的な理由はよくわからないが、ほとんどの人が大人になると時間が短く感じるというのは紛れも無い事実であろう。