OPEC総会記者発表概要
OPECは3月8日ウィーンにおいてDr.Edmund Daukoru議長(ナイジェリア石油相)のもとで第140回通常総会を開催した。
世界石油市場の見通しに関し、世界経済は引き続き堅調であること、及び原油は市場に十分供給されており、OECDの石油在庫も高い水準にあるものの、地政学的な要因による供給途絶の可能性或いは下流(精製)部門のボトルネックを理由として、原油価格は不安定な状況にある。
このような状況ではあるが、OPECは現行生産枠2,800万B/Dを維持することとした。また下流部門のボトルネックを始め石油産業が直面している問題を解決するため、非OPEC産油国及び消費国に対し改めて共同歩調を求めるものである。
今後の市況の変化を見守りつつ7月1日にベネズエラで臨時総会を行い、また9月11日にウィーンで通常総会を行うことを決定した。
関連ニュース(ロイター電)
OPEC総会はイランに国連制裁の可能性があり、またナイジェリアでは内戦のため年初から既に11百万バレルの輸出停止に追い込まれる状況の中で開催された。強硬派のベネズエラは50万B/Dの生産削減を主張したが、結局現行の生産枠29百万B/Dを維持することが決定された。
核開発問題を巡りイランはIAEAに警告を発しているが、OPEC総会に出席したVaziri同国石油相は、輸出を削減する意図はない、とソフトな口調で語った。またクウェートのアハマド石油相も、今年一杯は生産削減の必要は無く、現状の生産水準を維持すれば第二四半期には米国原油は60ドル以下になるであろう、と述べた。OPEC最大の生産国サウジアラビアのナイミ石油相も、減産は逆効果を招くであろう、と語った。
***** 最新の業界ニュース(プレスリリース)を見る。 → 「石油文化」ホームページ *****