(注)本レポート1~13回は「マイライブラリー(前田高行論考集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0337OilMajors2014.pdf
II. 2014年の業績比較 (続き)
2. 利益
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-02.pdf 参照)
ExxonMobilが5社の中で利益額が最も大きく325億ドルである。ExxonMobilに次ぐ利益を上げたのは売上高(前項参照)では5社で最も小さいChevronであり、同社の利益額は192億ドル、ExxonMobilの6割である。ShellとTotalの利益は各々151億ドルおよび128億ドルでありShellはExxonMobilの2分の1弱、Totalは4割弱である。これに対してBPの利益額は38億ドルにとどまっており、5社の中では極めて低い。BPの利益はExxonMobilの1割強にすぎず、Shellの4分の1である。BPは売上高でこそShellあるいはExxonMobilの8割程度を維持しているが利益では大きく見劣りしている。BPはメキシコ湾の原油流出事故およびロシアでの合弁事業を巡るトラブル等で近年利益が低迷し、しかも毎年の利益はシーソーゲームのごとく浮沈が激しい。今回極端に利益が減少しており同社の先行きは不安感がぬぐえない。
3.売上高利益率
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-03.pdf 参照)
売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、Chevronが9.1%と最も高く、次いでExxonMobil(7.9%)、Total(5.4%)の3社が利益率5%を超えている。Shellは3.5%であり、BPは最も低い1・1%にとどまっている。BPの利益率はJXホールディングスなど日本の精製専業各社とほぼ同じ水準である。
(続く)
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