(注)本レポート1~13回は「マイライブラリー(前田高行論考集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0337OilMajors2014.pdf
III. 7カ年(2008-2014年)業績推移の比較(続き)
4.設備投資
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-09.pdf参照)
2008年の設備投資額はShellが384億ドルで最も多く、BP(307億ドル)、ExxonMobil(261億ドル)、Chevron(228億ドル)と続きTotalは163億ドルで最も少なかった。翌2009年にはShellとBPの2社は投資額が大幅に減少しているが、Shellは引き続き6社の中では最も多い317億ドルでであった。2009年以降は各社おしなべて設備投資額が増加する傾向にあり、2013年には5社とも2008年の投資額を上回っている。2008年と2013年を比較した場合、特にChevronは1.8倍、ExxonMobil、Totalは1.6倍など大きく膨れ上がり、Shell及びBPも1.2倍である。
しかし2014年は各社とも設備投資を抑えている。5社の投資額は最も多いChevronが403億ドル、ExxonMobilおよびShellが380億ドル前後、そしてTotalとBPが240億ドル前後である。次項(石油・ガス生産量の推移)に見るごとく、BPのように生産量が大幅に減少しているケースを含め各社とも減少に歯止めがかからず、投資に見合った埋蔵量の積み増しや生産量の増加が得られていない。昨年後半から石油価格の暴落により売上および利益が急落したこともあり各社とも設備投資を削減する方向にある。
(続く)
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