3.世界の石油消費量
(世界の石油消費の3分の1はアジア・大洋州!)
(1) 地域別消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-3-G01.pdf 参照)
2015年の世界の石油消費量は日量9,500万バレル(以下B/D)であった。地域別でみるとアジア・大洋州が3,244万B/Dと最も多く全体の34%を占め、次に多いのが北米の2,364万B/D(25%)であった。2007年以降はアジア・大洋州が北米を上回る最大の消費地域となっており、この傾向は今後定着するものと思われる。これら二つの地域に続くのが欧州・ユーラシア1,838万B/D(19%)であり、これら3地域で世界の石油の8割近くを消費している。残りの中東(10%)、中南米(8%)及びアフリカ(4%)の3地域を合計しても2割に過ぎず、石油の消費は先進地域(北米、欧州・ユーラシア)及び新興工業国が多いアジア・大洋州に偏っている。
各地域の消費量と生産量(前回参照)を比較すると、生産量では世界全体の33%を占めている中東が消費量ではわずか10%であり、アフリカも生産量シェア9%に対して消費量シェアは4%に過ぎない。これに対してアジア・大洋州は生産量シェア9%に対して消費量シェアは34%と大幅な消費超過となっている。欧州・ユーラシアは生産量も消費量も19%で均衡している。また北米は22%(生産量)、25%(消費量)でありアジア・大洋州と同様消費量が生産量を上回っているがその差は年々縮小している。このことからマクロ的に見て、世界の石油は中東及びアフリカ地域からその他の地域特にアジア・大洋州に流れており、欧州・ユーラシアは地産地消型を維持、北米は近年域外からの輸入が減少、地産地消型に変化しつつあると言えよう。
(続く)
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