石油と中東

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全社で業績回復基調:五大国際石油企業2016年7-9月期決算速報(5完)

2016-11-13 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0393OilMajor2016-3rdQtr.pdf

2.2015年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)

(2)利益の推移(続き)

(2-2)上流部門(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-63.pdf 参照)

 5社の上流部門の利益はいずれも下流部門の利益に比べて見劣りする。特にShellは7期中6期が赤字でありChevronは4期、BPも昨年第4四半期から前期まで3期連続で赤字を出している。5社の中ではTotalは利益水準は低いが毎期利益を計上しており、またExxonMobilは赤字は1期だけ(今年第1四半期)である。各社によって上流部門の損益に大きな開きが見られる。

 

(2-3)下流部門(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-64.pdf 参照)

 これに対して下流部門は全社が全7期間を通じて安定した利益を出している。5社の中ではExxonMobilが昨年第2四半期に上流部門の3倍以上の64億ドルの利益を上げている。但し同社は利益の振れ幅が大きく今年の第1および第2四半期の利益は一桁にとどまっている。これに比べShellは毎期20億ドル前後の利益をコンスタントに計上している。またTotalも金額は低いが10億ドル前後の利益を維持しており、両社とも下流部門は市況に左右されない安定した操業を続けている。

 

(3)設備投資の推移 (図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-65.pdf 参照)

 5社の四半期の設備投資額は100億ドルを下回る低い水準が続いており、また期を追うごとに投資額が減少、最近では投資額が50億ドルを切るケースも見られる。ExxonMobilの場合は昨年1-3月期の77億ドルに対して今期は42億ドルにとどまっている。Chevronは5社の中では最も高い水準の設備投資を続けており5社の中では投資意欲が最も高い。ShellおよびBPの設備投資は各期の変動が比較的少なく、Shellは60億ドル前後、BPは40億ドル台の設備投資を続けている。

 

以上

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

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