石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

油価堅調で売上、利益ともに上昇傾向:五大国際石油企業2018年1-3月期決算速報(6完)

2018-05-17 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0440OilMajor2018-1stQtr.pdf

2.2017年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)

(6)原油・天然ガス生産量の推移

(6-1)原油生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-68.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移を見るとExxonMobilが他社を引き離して5期連続でトップを守っている。ExxonMobilの生産量は5社の中でただ1社200万B/D台を維持している。但し、同社の生産量は年間を通じて低落傾向にある。ExxonMobilに次ぐ二番手グループはShellとChevronで、その生産量は180万B/D前後である。両社の差は1年前の16万B/Dから今期は3万B/Dまで縮まっている。BPとTotalは1年前に130万B/D台でそれぞれ4番手及び最下位でであった。しかしその後Totalの生産量が増加、BPを追い抜いて4番手になり今期は150万B/D近くに達している。

 

 2017年第1四半期の各社の生産量はExxonMobilが233万B/DでShell及びChevronはそれぞれ187万B/D及び171万B/Dであった。これに次ぐBPは139万B/D、Totalは5社の中で最も少ない130万B/Dであり、これはExxonMobilの2分の1強にとどまっている。

 

 その後ExxonMobilは第2四半期に227万B/Dに下落、今年第1四半期は222万B/Dにとどまり1年前に比べて生産量は漸減傾向にある。Shellも年間を通じて生産量は下落しており、昨年第4四半期以降はそれまでの180万B/D台から170万B/D台に落ち込んでいる。これに対してChevronは年間を通じてコンスタントに170万B/D台を維持しており、その結果ShellとChevronの差はほとんどなくなりつつある。

 

BPは1年間を通じて生産量は横ばい状態である。これに対し1年前に最下位であったTotalはその後5社の中で生産量が最も高い伸びを示し、昨年第1四半期の130万B/Dが今期は148万B/Dと1年間で14%増加し、BPを追い抜き4位に浮上している。

 

(6-2)天然ガス生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-69.pdf 参照)

 天然ガスの生産量はExxonMobilとShellの上位グループとBP、Total、Chevronの下位グループの2極に分かれており、上位2社がほぼ毎期日量100億立方フィート以上を生産し続けているのに対して他の3社は60億立方フィート台の生産量にとどまっている。

 

 但しExxonMobilとShellの上位2社の天然ガス生産量はShellが増加傾向にあるのに対して、ExxonMobilは逆に減少気味であり、年々格差が広がりつつある。今期(2018年第1四半期)の生産量はShellの119億立方フィートに対しExxonMobilは100億立方フィートにとどまっている。Total、 Chevron、BPの3社の生産量は年間を通じて横ばいでほぼ同量である。

 

(6-3)原油・天然ガス合計生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-65.pdf 参照)

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量の推移を見るとExxonMobilは下降気味であるが、その他の4社はわずかながら増産傾向が見られる。2017年第1四半期の各社の合計生産量はExxonMobilが最も多い415万B/Dで5社の中では唯一400万B/D台であった。これに続くのがShellの375万B/D、その他3社はChevron(268万B/D)、Total(257万B/D)及びBP(239万B/D)でありBPはExxonMobilのほぼ6割である。

 

今年第1四半期の各社の生産量は、ExxonMobilが400万B/Dを切り389万B/Dである。他の4社はShell 384万B/D、Chevron 285万B/D、Total 270万B/D、BP 261万B/Dであり、全社が200万B/D台に並んでいる。対前年同期の増減率はExxonMobil -6.3%、Shell +2.3%、Chevron +6.6%、Total +5.2%であり、ExxonMobilのみが前年同期を下回り、その他4社は増加しているのが特徴である。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする