(原題) Real estate mogul Steve Witkoff, Trump’s man in the Middle East
2025/2/10 Arab News (by AFP)
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トランプの中東特使スティーブ・ウィトコフは外交政策の経験はないが、自分の意見を恐れずに言う才能ある交渉者としての評判があり、すでに名声を得ている。
大統領の親友で、67歳の不動産王ウィトコフは、イスラエルとハマスの間のガザ停戦交渉で重要な役割を果たしたとされている。停戦は、トランプ大統領のホワイトハウス2期目の就任式前夜の1月19日に発効した。
ウィトコフは、ガザ地区を「占領」し、200万人のパレスチナ住民を他の場所に移したいという大統領の驚くべきプランを擁護し注目を集めた。彼は、トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の合同記者会見の直前、「大統領がガザ地区を一掃し居住可能にすると言っている。これは長期計画だ」とホワイトハウスで記者団に語った。特使とともに登場したマイク・ウォルツ国家安全保障問題担当大統領補佐官は、「この男は不動産に詳しい」と、笑顔で語った。
同日遅くにフォックス・ニュースで語ったウィトコフ氏は、ガザ地区から大規模にパレスチナ人を移住させることの正当性について、引き続き説明を続けた。この考えは同地域で非難を浴び、民族浄化に等しいとの声も上がっている。ウィトコフは、「より良い生活は、必ずしも今いる物理的な空間に結びついているわけではない」と述べ、数十年にわたるイスラエルとパレスチナの紛争の複雑さを軽視しているようだった。
トランプ大統領はホワイトハウスでの記者会見でウィトコフ氏を称賛するばかりだった。
「スティーブ、立ち上がってくれ。本当によくやった。なかなかいい仕事だ。素晴らしい仕事をした!」
1月20日の就任式後、ワシントンのアリーナで開かれた祝賀会で新大統領を紹介するよう求められたのは、同じ億万長者で、いつもゴルフを一緒にするウィトコフ氏だった。
ウィトコフ氏は外交の世界では完全な素人だったが、トランプ氏の当選からわずか1週間後に中東担当特使に任命された。これは2人の親密な関係を反映している。8年前、トランプ氏は最初の任期に当選した後、外交の素人である義理の息子ジャレッド・クシュナーを同じ役職に任命したことがある。
トランプ氏が就任する前から、ウィトコフ氏はガザ停戦交渉に参加し、1月初旬の最終交渉には当時のジョー・バイデン大統領の中東顧問ブレット・マクガーク氏とともに参加した。これは、退場する旧政権と新政権のまれな協力だった。カタールの首都ドーハでの会談に出席した後、ウィトコフ氏は合意をまとめようと、ユダヤ教の安息日の土曜日にイスラエルに飛んでネタニヤフ首相と会談したのである。
その後、1月29日、ウィトコフ氏はガザ地区を訪れた。ガザ地区の多くは、2023年10月7日のハマスの攻撃に対するイスラエルの攻撃が15か月続き瓦礫と化している。彼は、戦争が始まって以来、同地区を訪れた最初の米国当局者となった。
フォーリン・ポリシー誌が木曜日に発表した記事で、外交問題評議会の専門家であるスティーブン・クック氏は、ウィトコフ氏の外交経験のなさは有利に働き、新鮮な視点を与えると述べている。但し、「イスラエルとパレスチナの紛争は不動産取引ではない」と付け加えている。
1957年3月15日、ニューヨークのブロンクス区に生まれたウィトコフ氏は、最初は企業弁護士として、その後大手不動産会社の代表として不動産業で財を成し、1997年にウィトコフ・グループを設立した。同グループは、自らを「一部は開発業者、一部は投資家、一部は景観を変える企業」と称し、彼の妻と息子はそこで働いている。ニューヨーク近郊のホフストラ大学を卒業したウィトコフには、オキシコンチンの過剰摂取で2011年に22歳で亡くなった子供を含めて数人の子供がいる。
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