石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

大きく後退したGCC6カ国、MENA平均で世界140位:報道の自由度(2019年版)(2)

2019-04-29 | その他

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してお読みいただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0465MenaRank6.pdf

 

 

(MENAなんでもランキング・シリーズ その6)

(MENAの世界平均順位は180カ国中140位!)

2.2019年版のMENA各国の「報道の自由度」ランク

(表http://menarank.maeda1.jp/6-T01.pdf 参照)

MENA19カ国1機関(上記参照)の中で最もランクが高かったのはチュニジアであり、同国は世界180か国中の72位である。MENAトップとはいえ世界180か国の中では平均を少し上回る水準にとどまっている。チュニジアに次ぐのがイスラエル(88位)でありこの2か国以外のMENA諸国はすべて100位以下である。MENAの世界平均順位は140位と極めて低い。

 

MENA3位はレバノンの世界101位、クウェイトが世界108位でこれに続き、少し離れてMENA5位のカタールは世界128位につけている。MENAの6位から10位まではヨルダン、オマーン、UAE,、モロッコ及びパレスチナ自治政府が世界130位台に並んでいる。

 

中東の大国であるトルコは世界157位であり、同じく大国とされるエジプト及びイランはそれぞれ163位と170位である。世界最大の産油国としての経済力を誇るサウジアラビアの報道の自由度は180か国中の172位であり世界最低ランクに位置づけられ、MENA19カ国1機関の中でもシリア(174位)をわずかに上回るだけである。

 

ちなみに世界で報道の自由度が最も高い国はノルウェーで上位の国の多くは北欧の国々である。日本は世界67位であり米国(48位)よりかなり低く先進国の中では評価が厳しい。なお中国は世界177位でシリアとほぼ同レベル、世界最低の180位はトルクメニスタンである。

 

評価ポイントで見ると世界1位のノルウェーは一桁の7.82であるのに対して(ポイントが低いほど自由度が高い)、MENAトップのチュニジアが29.61、最も低いシリアは71.78、MENAの平均は48.82である。ノルウェーとMENA各国の格差は非常に大きいと言える。(参考:米国25.69、日本29.36、中国78.92)

 

RSFのレポートではポイントに応じて各国の自由度を下記の5つに分類し色分けをした世界地図を掲載している。

 

(1)白(薄黄)色:0~14ポイント(Good situation)

(2)黄色:15~24ポイント(Satisfactory situation)

(3)橙色:25~34ポイント(Noticeable problems)

(4)赤色:35~54ポイント(Difficult situation)

(5)黒色:55~100ポイント(Very serious situation)

この色分け地図では白(薄黄)色が最も自由度の高い国家群とされ、続いて黄色、橙色、赤色と移り、最後の黒色は報道の自由度が非常に深刻な状況にある国々とされている。これを見るとMENAの国々の多くは赤色であり、最低レベルの黒色もリビア、エジプト、バハレーン、イエメン、イラン、サウジアラビア、シリアの7か国あり、欧州、南北アメリカに比べ、報道の自由が極めて深刻な状況にあることがわかる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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