BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2019」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。
*BPホームページ:
http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html
1. 世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(昔も今も中東とロシア・中央アジアが二大埋蔵地域!)
(4)地域別の埋蔵量推移(2000年~2018年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-1-G03.pdf 参照)
埋蔵量の推移を地域別に見ると、2000年は中東地域が世界全体の41%を占め最も大きく、次いでロシア・中央アジア地域が28%であり、この2地域で世界の埋蔵量の7割近くを占めている。2018年末はそれぞれ38%と32%であり、両者の合計シェアは2000年と変わりはないが、中東地域が若干減少、ロシア・中央アジア地域が増加している。
その他の地域では2000年のシェアはアフリカ9%、アジア大洋州8%、北米、中南米各5%、欧州4%であった。このうち2018年のシェアはアフリカ、中南米及び欧州が下がり、アジア・大洋州及び北米はシェアが上がっている。北米については米国でシェール・ガスが開発され、この結果同地域のガス埋蔵量は2000年の7tcmから2018年には14tcmに倍増している。
2000年から2018年の埋蔵量の伸び率は北米地区が最も大きく、これに次ぐのがアジア・大洋州地域の1.63倍、ロシア・中央アジア地域の1.59倍である。その他の中東、アフリカ、中南米の各地域も1.2~1.3倍程度増加しているが、唯一欧州地域だけは2018年末の埋蔵量が2000年末を下回っている。
(続く)
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