石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

日本に肉薄する中国とトルコ-世界と中東主要国の「ビジネス環境」(2)

2019-12-03 | その他

(世界ランクシリーズ その3 2020年版)

 

(日本は世界190か国中の29位、中東トップはUAEで世界16位!)

2.2020年のビジネス環境世界ランク

(表http://rank.maeda1.jp/3-T01.pdf参照)

 2020年のビジネス環境世界ランクのトップはニュージーランドである。2位以下5位まではシンガポール、香港、デンマーク及び韓国であり、デンマーク以外はアジア・大洋州諸国である。韓国が世界5位にランクされていることは注目に値する。

 主要国では米国が韓国に次いで世界6位である。ドイツ及びロシアはそれぞれ世界22位と28位であり、世界29位の日本を上回っている。また中国は世界31位で日本との差はごくわずかである。後ほど述べるように中国は近年急激にランクを上げており、ランクが停滞する日本と対照的な様相を示している。インドは中国を上回る経済成長率を誇っているが、ビジネス環境では世界63位にとどまっている。

 中東の主要国を見ると中東地域でランクが最も高いのはUAEであり、同国のビジネス環境は世界16位と評価されており、日本(29位)よりかなり高い。中東でUAEに次ぐのはトルコ及びイスラエルであるが、いずれも世界30位台である。産油国のサウジアラビアは世界62位であり、インドと並んでいる。中東の大国の一角を占めるエジプト及びイランは各々114位、127位と共に100位以下にとどまっており、世界銀行の評価は低い。イラクはさらに低い世界172位である。ちなみに世界最低ランクの190位はソマリアである。

 

(サウジアラビアが92位から62位に大躍進!)

3.各国の2019年と2020年のランク比較

(表http://rank.maeda1.jp/3-T01.pdf参照)

 2019年と2020年の世界ランクを比較すると、世界ベスト・ファイブは3位と4位の香港とデンマークの順位が入れ替わっているが、5か国の顔触れは同じである。また世界最下位も2年連続でソマリアである。

 米国は前年の8位から今回は6位にアップしており、日本は39位から29位に10ランク上昇している。また中国も46位から31位にアップ、インドも77位から63位に上昇しており、アジア各国の躍進が目覚ましい。

 中東ではUAEが前回の11位から今回は16位に落ちているが、その他の主要国はトルコが43位→33位、イスラエル49位→35位と大きくランクを上げている。特にサウジアラビアは2019年の92位から2020年は62位と30ポイントもアップする躍進ぶりを示している。ビジョン2030を掲げ、経済改革に力を入れている同国はビジネス環境の改善に意欲的に取り組んでおり、そのことが世界銀行に評価されたようである。

 エジプト、イラン、イラクの世界ランクにほとんど変化はなく、ビジネス環境の改善が停滞しているようである。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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