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http://mylibrary.maeda1.jp/0519MajorEneosIdemitu2020JulSep.pdf
2.過去1年間の四半期業績の推移(続き)
(4) 売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-22.pdf 参照)
2019年7-9月期の売上高利益率はChevronが7.1%と最も高く、これに次ぐのがShell(6.6%)、Total(5.8%)、ExxonMobil(4.9%)であった。日系企業のENEOSは2.1%、出光は1.1%であり、BPのみがマイナス(▲1.1%)であった。続く10-12月期はExxonMobilが8.5%で最も高い利益率であったが、前期トップのChevronは7社中ただ1社▲18.2%という大幅な欠損率であった。今年1-3月期は5社がマイナスであったが、特にENEOSは▲13%の大きな欠損率となり出光も▲5.9%であった。日系2社は決算期が3月であるため、いずれも特別損失を計上したためと見られる。その後の4-6月期はコロナ禍の影響で7社全てが欠損を計上したが、特にShell、BP及びChevronは▲50%強の大幅な損失率を記録、Totalも▲40%近いマイナスであった。ExxonMobilは比較的軽度のマイナス(▲3.3%)におさまっている。今期(7-9月期)は各社とも利益が回復したものの、利益率は低水準にとどまっている。その中でENEOS及び出光2社はそれぞれ2.3%及び4.8%の利益率を確保しており、メジャー5社を上回っている。
(5) 上流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-23.pdf 参照)
昨年7-9月期のメジャー5社の上流部門の利益はChevronが27億ドルで最も多く、ExxonMobil、BPが21億ドル台、Shell、Totalは共に17億ドルであり、5社の間に大きな差はなかった。それ以降の3四半期はメジャー各社間で大きな変動があった。中でも変動が激しかったのはChevronであり、昨年10―12月期は▲67億ドルのマイナスで最下位に落ちると、続く今年1-3月期には29億ドルの利益を計上、しかし4-6月期には再び▲61億ドルの大幅な赤字を記録、今期は2億ドルの黒字に戻り激しいアップダウンを記録している。Shellは昨年7-9月期以外はすべてマイナスであり、今期も5社の中で最も悪い▲11億ドルの赤字であった。BPは今年4-6月期に▲85億ドルという巨額の赤字を計上したが、それ以外の四半期は黒字であった。
日系2社は上流部門が小さいため利益幅も小さい。ENEOSが今年1-3月期に▲7億ドルの欠損を出した以外、両社ともわずかではあるが利益を計上しておりメジャー5社とは異なる結果を出している。
(6) 下流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-24.pdf 参照)
昨年から今年初めまでの各社の上流・下流の損益幅を見ると、上流部門はプラス61億ドル(ExxonMobil10-12月期)から▲85億ドル(BP今年4-6月期)まで大きな差があるのに比べ(上記参照)、下流部門はプラス26億ドル(Shell昨年7-9月期)から▲30億ドル(同Shell 今年4-6月期)まで差異はさほど大きくない。原油価格が大きく変動する中で上流部門に比べ下流部門は比較的安定していたと言える。
下流部門の利益が高く安定しているのはBPであり、毎期6~19億ドル前後の利益を計上している。ExxonMobilは下流部門の利益が安定せず今年1-3月と7-9月期は赤字である。日系2社のうちENEOSは昨年末まで数億ドル規模の利益を計上していたが、今年の1-3月及び4-6月期は連続して赤字となっている。特に1-3月期の赤字は7社の中で最も大きい▲24億ドルとなっている。出光の下流部門は経常的な赤字体質であり、5四半期のうち3期は欠損を出し、特に今年の1-3月及び4-6月期は連続して10億ドルを超える赤字となっている。
以上
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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(4) 売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-22.pdf 参照)
2019年7-9月期の売上高利益率はChevronが7.1%と最も高く、これに次ぐのがShell(6.6%)、Total(5.8%)、ExxonMobil(4.9%)であった。日系企業のENEOSは2.1%、出光は1.1%であり、BPのみがマイナス(▲1.1%)であった。続く10-12月期はExxonMobilが8.5%で最も高い利益率であったが、前期トップのChevronは7社中ただ1社▲18.2%という大幅な欠損率であった。今年1-3月期は5社がマイナスであったが、特にENEOSは▲13%の大きな欠損率となり出光も▲5.9%であった。日系2社は決算期が3月であるため、いずれも特別損失を計上したためと見られる。その後の4-6月期はコロナ禍の影響で7社全てが欠損を計上したが、特にShell、BP及びChevronは▲50%強の大幅な損失率を記録、Totalも▲40%近いマイナスであった。ExxonMobilは比較的軽度のマイナス(▲3.3%)におさまっている。今期(7-9月期)は各社とも利益が回復したものの、利益率は低水準にとどまっている。その中でENEOS及び出光2社はそれぞれ2.3%及び4.8%の利益率を確保しており、メジャー5社を上回っている。
(5) 上流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-23.pdf 参照)
昨年7-9月期のメジャー5社の上流部門の利益はChevronが27億ドルで最も多く、ExxonMobil、BPが21億ドル台、Shell、Totalは共に17億ドルであり、5社の間に大きな差はなかった。それ以降の3四半期はメジャー各社間で大きな変動があった。中でも変動が激しかったのはChevronであり、昨年10―12月期は▲67億ドルのマイナスで最下位に落ちると、続く今年1-3月期には29億ドルの利益を計上、しかし4-6月期には再び▲61億ドルの大幅な赤字を記録、今期は2億ドルの黒字に戻り激しいアップダウンを記録している。Shellは昨年7-9月期以外はすべてマイナスであり、今期も5社の中で最も悪い▲11億ドルの赤字であった。BPは今年4-6月期に▲85億ドルという巨額の赤字を計上したが、それ以外の四半期は黒字であった。
日系2社は上流部門が小さいため利益幅も小さい。ENEOSが今年1-3月期に▲7億ドルの欠損を出した以外、両社ともわずかではあるが利益を計上しておりメジャー5社とは異なる結果を出している。
(6) 下流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-24.pdf 参照)
昨年から今年初めまでの各社の上流・下流の損益幅を見ると、上流部門はプラス61億ドル(ExxonMobil10-12月期)から▲85億ドル(BP今年4-6月期)まで大きな差があるのに比べ(上記参照)、下流部門はプラス26億ドル(Shell昨年7-9月期)から▲30億ドル(同Shell 今年4-6月期)まで差異はさほど大きくない。原油価格が大きく変動する中で上流部門に比べ下流部門は比較的安定していたと言える。
下流部門の利益が高く安定しているのはBPであり、毎期6~19億ドル前後の利益を計上している。ExxonMobilは下流部門の利益が安定せず今年1-3月と7-9月期は赤字である。日系2社のうちENEOSは昨年末まで数億ドル規模の利益を計上していたが、今年の1-3月及び4-6月期は連続して赤字となっている。特に1-3月期の赤字は7社の中で最も大きい▲24億ドルとなっている。出光の下流部門は経常的な赤字体質であり、5四半期のうち3期は欠損を出し、特に今年の1-3月及び4-6月期は連続して10億ドルを超える赤字となっている。
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