III. 5カ年(2020-2024年) 業績推移の比較
ここでは2020年から2024年までの過去5年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みに業績と密接に関係している原油価格(Brent)の動きを見ると、2020年はコロナ禍に直撃され42ドル/バレルという極めて低い水準に落ち込んでいる。2021年に71ドルまで戻したのち、2022年には大幅に上昇して100ドルを超えた。しかし2023年は再び83ドルに下落、2024年のBrent 原油価格は横ばい気味の81ドル/バレルであった。これに引きずられた形で5社の売上高及び利益も以下に見る通り大きく変動している。
(原油価格と連動する売上高!)
1.売上高[1]
2020年の売上高トップはExxonMobilの1,815億ドルで、Shellが僅差の1,805億ドルで続いている。第3位はTotalEnergies(1,407億ドル)、第4位はbp(1,091億ドル)であり、最も少ないChevronの売上高は1千億ドルを割り945億ドル、トップExxonMobilの半分にとどまっている。
2020年を底に原油価格が急伸した2021年、2022年には売り上げは急回復、各社とも2年間で2倍以上の売上増を記録、例えばExxonMobilの2022年の売上高は4,137億ドルに達し、Shellも3,813億ドルであった。
2023年には原油価格が83ドル/バレルに下がり各社売上高も落ち込み、2024年も価格が回復しなかったため、2024年の各社売上高はピーク時(2022年)の8割前後にとどまっている。このように石油企業の売上高は原油価格の変動に大きく左右されている。
(続く)
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前田 高行
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[1] 「売上高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Total revenues and other income
Shell: Total revenue and other income
bp: Total revenue and other income
TotalEnergies: Sales
Chevron: Sales and other operating revenues
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