スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、bp、TotalEnergies及びChevron)の7-9月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資、キャッシュフロー及び石油・天然ガス生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに過去2年間の各社四半期決算の推移を検証する。
なお過去の四半期業績及び2010年から2023年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
http://mylibrary.maeda1.jp/oil.html
I. 各社の業績概要
表1-D-4-22a「2024年7-9月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。
表1-D-4-22b「2024年7-9月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。
表1-D-4-22c「2024年7-9月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。
(前期比では売上▲3.3%減、利益▲6.8%減、原油生産量は7%増!)
1. ExxonMobil
プレスリリース:
https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2024/1101_exxonmobil-announces-third-quarter-2024-results
(1)売上・利益・利益率
ExxonMobilの2024年7-9月期は売上高900億ドル、利益86億ドルで売上高利益率は9.6%であった。前期(2024年4-6月期)との比較では、売上高▲3.3%減、利益▲6.8%減であり、また前年同期(2023年7-9月期)比では売上は▲0.8%減、利益は9.3%増である。
売上高及び利益が前期比で共に減少したのは原油価格がWTIベースで▲6.9%下落したことが主な原因である。但し後述するようにExxonMobilの原油生産高は2四半期連続で大幅に伸びており、この結果売上の下落が小幅にとどまったと言えそうである。
同社は昨年、米国独立系企業Pioneer Natural Resourcesを買収しており、またガイアナでの生産増強を行ったことにより、原油・天然ガスの生産が大幅にアップしている。石油業界では石油から天然ガス、さらには再生エネルギーへの転換がトレンドとなっていたが、コスト、供給力等の面で非石油資源への転換がスムーズに進まず、当面石油依存が避けられない状況が明らかになっている。ExxonMobilは状況の変化に即応して石油資源を確保して業績悪化を最小限にとどめている。(非炭化水素エネルギーへの転換を急いだBP、TotalEnergiesは業績が悪化しており、トレンドを読み違えたと言えそうである。)
(2)キャッシュフロー及び設備投資
今期の営業キャッシュフローは176億ドル、投資キャッシュフローは▲5億ドルであり、フリーキャッシュフローも113億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲111億ドルであり、この結果、9月末のキャッシュフロー残高は270億ドルとなっている。
ExxonMobilの7-9月期設備投資は72億ドルであった。
(3)原油・天然ガス生産量
ExxonMobilの7-9月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油319万B/D、天然ガス84億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は458万B/Dである。前期と比較すると原油は6.8%、天然ガスは1.5%増加しており、原油に換算した合計生産量も前期の436万B/Dから5.1%増加している。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
なお過去の四半期業績及び2010年から2023年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
http://mylibrary.maeda1.jp/oil.html
I. 各社の業績概要
表1-D-4-22a「2024年7-9月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。
表1-D-4-22b「2024年7-9月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。
表1-D-4-22c「2024年7-9月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。
(前期比では売上▲3.3%減、利益▲6.8%減、原油生産量は7%増!)
1. ExxonMobil
プレスリリース:
https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2024/1101_exxonmobil-announces-third-quarter-2024-results
(1)売上・利益・利益率
ExxonMobilの2024年7-9月期は売上高900億ドル、利益86億ドルで売上高利益率は9.6%であった。前期(2024年4-6月期)との比較では、売上高▲3.3%減、利益▲6.8%減であり、また前年同期(2023年7-9月期)比では売上は▲0.8%減、利益は9.3%増である。
売上高及び利益が前期比で共に減少したのは原油価格がWTIベースで▲6.9%下落したことが主な原因である。但し後述するようにExxonMobilの原油生産高は2四半期連続で大幅に伸びており、この結果売上の下落が小幅にとどまったと言えそうである。
同社は昨年、米国独立系企業Pioneer Natural Resourcesを買収しており、またガイアナでの生産増強を行ったことにより、原油・天然ガスの生産が大幅にアップしている。石油業界では石油から天然ガス、さらには再生エネルギーへの転換がトレンドとなっていたが、コスト、供給力等の面で非石油資源への転換がスムーズに進まず、当面石油依存が避けられない状況が明らかになっている。ExxonMobilは状況の変化に即応して石油資源を確保して業績悪化を最小限にとどめている。(非炭化水素エネルギーへの転換を急いだBP、TotalEnergiesは業績が悪化しており、トレンドを読み違えたと言えそうである。)
(2)キャッシュフロー及び設備投資
今期の営業キャッシュフローは176億ドル、投資キャッシュフローは▲5億ドルであり、フリーキャッシュフローも113億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲111億ドルであり、この結果、9月末のキャッシュフロー残高は270億ドルとなっている。
ExxonMobilの7-9月期設備投資は72億ドルであった。
(3)原油・天然ガス生産量
ExxonMobilの7-9月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油319万B/D、天然ガス84億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は458万B/Dである。前期と比較すると原油は6.8%、天然ガスは1.5%増加しており、原油に換算した合計生産量も前期の436万B/Dから5.1%増加している。
(続く)
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