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(目次)
第6章:現代イスラームテロの系譜(8)
153やすやすと国境を越えるイスラーム・テロ(4/4)
アル・カイダのテロの標的は米国であり、それは1993年の米本土ニューヨークにおける世界貿易センタービル爆破事件につながる(2001年の9.11同時多発テロの前兆とも言えるテロ事件)。このようにイスラーム・テロはイラン或いはアフガニスタンを震源地として前者はシーア派テロ、後者はスンニ派テロとして中東から北アフリカに広がり、さらに大西洋を越えて米国に広がっていったのである。
宗教という「心」の問題に絡むイスラーム・テロには人為的な国境、或いは地理的な五大陸といった制約は意味を持たない。そしてインターネットという高度な情報社会の中では「心」が伝播する広がりとスピードは計り知れない。1990年代はイスラーム・テロが世界に拡散する大きな端緒となった時代であった。国や地域を問わず国境をたやすく越えるのが宗教テロの特徴である。
(続く)
荒葉 一也
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