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(目次)
第5章:二つのこよみ(西暦とヒジュラ暦)(27)
141二つの予言:「歴史の終わり」と「文明の衝突」(1/5)
20世紀も残すところ10年となった1990年代、米国の二人の政治学者が相次いで発表した著書が大きな評判を呼んだ。1992年に出版されたフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」と1996年に出版されたサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」である。世紀末が近づくと「ハルマゲドン」或いは「ノストラダムスの大予言」など世界の終末をおどろおどろしく語るキワモノが出回るが、「歴史の終わり」と「文明の衝突」は高名な学者による文明論である。但し二人の論調は対照的である。
二つの著書は中東アラブ・イスラム世界だけ取り上げたものではないが、中東は有史以来東西文明の交叉点として歴史に翻弄されてきた。その意味では中東の歴史を見るうえで両書が示唆するところは大きい。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com
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