石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(9/14-9/20)

2014-09-20 | 今週のエネルギー関連新聞発表

9/16 OPEC    Third High-Level Meeting of the OPEC-Russia Energy Dialogue http://www.opec.org/opec_web/en/press_room/2901.htm
9/17 経済産業省    第4回日本・アラブ経済フォーラムの開催が決定しました http://www.meti.go.jp/press/2014/09/20140917004/20140917004.html
9/18 JX日鉱日石エネルギー    米国子会社における潤滑油製造能力の増強について http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2014/20140918_01_1030113.html
9/18 石油連盟    木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2014/index.html#id705
9/19 国際石油開発帝石    国内最大級のガス田「南長岡ガス田」の回収率の向上による可採埋蔵量の増加および生産期間の延長について(お知らせ) http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2014/20140919.pdf
9/19 ExxonMobil    ExxonMobil Statement on Treasury Department Sanctions on Russia http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-statement-treasury-department-sanctions-russia

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇8 生産量(3)

2014-09-18 | その他

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0325BpOilGas2014.pdf

 

(伸びる天然ガス。2013年の石油と天然ガスの比率は60対40!)
(3)1990年~2013年の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G02.pdf 参照)
 1990年から2013年までの世界の石油と天然ガス合計生産量の推移を追ってみると、1990年の生産量は9,956万B/Dであり、その内訳は石油6,539万B/D、天然ガス1.98兆㎥(石油換算3,418万B/D)であった。その後1992年には合計生産量が1億B/Dを突破、2008年に1億3,562万B/Dに達するまで一貫して増加している。2009年には若干減少したが、2010年から再び増勢に転じ2013年の石油と天然ガスの合計生産量は過去最高の1億4,458万B/D(内訳:石油8,681万B/D、天然ガス3.4兆㎥)を記録している。

 1990年と2012年の生産量の伸びを比較すると、合計生産量では1.45倍、石油と天然ガスのそれぞれの増加率は石油1.33倍、天然ガス1.71倍であり、天然ガスの生産が急速に伸びていることがわかる。これを比率で見ると1990年には石油と天然ガスの比率が石油66%、天然ガス34%であったものが、その後天然ガスの比率が徐々に拡大し、2013年には石油60%、天然ガス40%となっている。現在天然ガスについては米国におけるシェールガスを含め世界各地で開発生産が活発に行われており、またパイプライン、LNGのサプライチェーンも急速に整備拡充されている。従って生産に占める天然ガスの比率は今後更に高まるものと思われる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月17日)

2014-09-17 | 今日のニュース

・OPECの来年減産予想で石油価格反騰。Brent$99.28, WTI$94.57

サウジアラムコ、タイPTTとベトナムで220億ドルの製油所・石化プラント建設へ

 

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇7 生産量(2)

2014-09-16 | その他

(ロシアを追い抜いてトップに躍り出た米国!)
(2)国別生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-T01.pdf 参照)
 生産量を国別に見ると、世界で石油と天然ガスの合計生産量が最も多い国は米国である。内訳は石油が1,000万B/D、天然ガスは6,876億㎥(石油換算1,185万B/D)、合計では2,185万B/Dで、同国は石油生産量では世界第3位、天然ガス生産量はトップである。

 米国に次ぐ世界第二位の生産量を誇るのはロシアである。同国は石油、天然ガスともに世界第2位の生産量であり、石油生産量は1,079万B/D、天然ガス生産6,048億㎥(石油換算1,042万B/D)、石油と天然ガスの合計生産量は2,121万B/Dである。2012年の米国とロシアの生産量はそれぞれ2,065万B/D及び2,085万B/Dであったが2013年は米国とロシアが逆転し米国は世界一の石油・天然ガス生産国となった。両国が世界全体の生産量1億4,524万B/Dに占める割合は米国15.0%、ロシア14.6%である。因みに埋蔵量については(前章参照)ロシアは世界4位に対して米国は世界11位である。

 生産量第3位はサウジアラビアの1,330万B/Dである。内訳は石油1,153万B/D、天然ガス1,030億㎥(石油換算177万B/D)でありロシア或いは米国に比べて石油の比率が圧倒的に大きい。4位から10位までの生産国は、4位カナダ662万B/D(内訳:石油395万B/D、石油換算天然ガス267万B/D。以下同じ)、5位イラン643万B/D(石油356万B/D、天然ガス287万B/D)、6位中国620万B/D(石油418万B/D、天然ガス202万B/D)、7位カタール473万B/D(石油200万B/D、天然ガス273万B/D)、8位UAE461万B/D(石油365万B/D、天然ガス96万B/D)、9位メキシコ385万B/D(石油288万B/D、天然ガス98万B/D)、10位ノルウェー371万B/D(石油184万B/D、天然ガス187万B/D)となっている。

 11位以下20位までの国を列挙すると、クウェイト、イラク、ベネズエラ、ナイジェリア、アルジェリア、ブラジル、カザフスタン、インドネシア、英国、マレーシアの順である。

(続く)

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   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇6 生産量(1)

2014-09-14 | その他

2.世界の石油と天然ガスの生産量
(中東、欧州・ユーラシア、北米が20%台で拮抗!)
(1)2013年の石油と天然ガスの地域別合計生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G01.pdf参照)
 2013年の世界の石油生産量は日量8,615万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの生産量は年間3兆3,905億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの生産量を石油に換算すると5,843万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの生産量は1億4,458万B/Dとなる。両者の比率は石油60%、天然ガス40%である。

 生産量を地域別に見ると、中東が3,806万B/Dと最も多く、欧州・ユーラシアがこれに次ぐ3,537万B/Dで、両者で世界の生産量の半分を占めている。但し両地域を比較すると、中東は石油2,827万B/D、天然ガス5,682億㎥(石油換算:979万B/D)と、石油の生産量が圧倒的に多く、一方、欧州・ユーラシアは石油生産量が1,721万B/D、天然ガス生産量が1兆536億㎥(石油換算:1,816万B/D)であり天然ガスの生産量が石油より少し多い。

 中東、欧州・ユーラシアに続いて生産量が多いのは北米である。北米は石油と天然ガスの比率がほぼ同じで3,105万B/D (石油生産量1,556万B/D、天然ガス生産量8.991億㎥、石油換算1,549万B/D)である。中東、欧州・ユーラシア及び北米が世界全体の生産量に占める割合はそれぞれ26%、24%、22%であり、これら3つの地域の生産量は拮抗している。

 残るアジア・大洋州、アフリカ及び中南米の3地域の生産量は上記3地域の半分もしくはそれ以下である。このうちアジア・大洋州(石油換算合計生産量:1,674万B/D)は石油と天然ガスの比率がほぼ同じであるが、アフリカ(1,296万B/D)と中南米(同1,040万B/D)は中東と同じく石油生産が全体の7割以上を占めており天然ガスの比率は小さい。

 前回の埋蔵量で触れたとおり世界の石油と天然ガスの埋蔵量の比率は59%対41%(石油埋蔵量1兆6,879億バレル、天然ガス埋蔵量1兆1,680億バレル)である。このことから欧州・ユーラシア、北米及びアジア・大洋州では埋蔵量に見合った石油と天然ガスが生産されているのに対し、その他の3地域(中東、アフリカ及び中南米)では今後さらに天然ガスの開発生産に拍車がかかるものと考えられる。

(続く)

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇5 埋蔵量(5)

2014-09-13 | その他

(石油と天然ガスを合わせた可採年数は54年!)
(4)可採年数の推移(1980~2013年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-G04.pdf 参照)
 可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産水準があと何年続けられるかを示したものであるが、2013年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は54年となる。

 1980年から2013年末までの推移をみると、1980年の可採年数は35年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、生産量については石油が天然ガスの2.5倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。

 その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を平均した可採年数も40年台後半で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に53年のピークを記録した後、2006年には49年に下がった。しかしそれ以降は再び可採年数は増加傾向を示し、2013年末の可採年数は石油53年、天然ガス56年、石油と天然ガスを合わせた平均可採年数は54年となっている。

 上述の通り1980年末の石油と天然ガスの可採年数の間には20年の差があったが、近年その格差は縮小しており、2013年末の両者の差はわずか3年である。このことは石油と天然ガスの探鉱・開発及び生産のペースがほぼ同じになっていることを意味している。

(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)
 
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今週の各社プレスリリースから(9/7-9/13)

2014-09-13 | 今週のエネルギー関連新聞発表

9/8 JX日鉱日石開発    米国におけるCO2回収プラントの建設着工について http://www.nex.jx-group.co.jp/newsrelease/2014/co2.html
9/8 コスモ石油    アブダビ首長国王立科学技術系高等学校 短期留学プログラムの実施について http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_140908_2/index.html
9/8 ExxonMobil    Alaska LNG Project Marks Milestone with Submission of FERC Pre-Filing Request http://news.exxonmobil.com/press-release/alaska-lng-project-marks-milestone-submission-ferc-pre-filing-request
9/8 shell    Shell announces second major 2014 start up in deep-water Gulf of Mexico with Cardamom development first oil http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2014/shell-announces-cardamom-development-first-oil.html
9/9 JX日鉱日石エネルギー    人事異動について http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2014/20140909_01_0970780.html
9/10 国際石油開発帝石    幹部社員の人事異動について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2014/20140910.pdf
9/11 出光興産    ノルウェー領北海 Hノルド油田の生産開始について http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2014/140911.html
9/12 東燃ゼネラル石油    東燃ゼネラル石油と東燃化学が省エネ法に基づくルギーベンチマク達成事業者に認定 http://www.tonengeneral.co.jp/news/uploadfile/docs/20140912_1_J.pdf
9/12 BP    BP and Tokyo Electric sign 17-year LNG deal http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-and-tokyo-electric-sign-17-year-lng-deal.html
9/12 三菱商事    コートジボワールにおける本邦初の石油・ガス探鉱事業への参画 http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2014/html/0000025606.html
9/12 東京電力    BPシンガポール社からのLNG購入に関する売買契約書の締結について~長期契約として初めて「ポートフォリオ契約」を締結し、軽質LNG・ヘンリーハブ連動価格を導入~ http://www.tepco.co.jp/cc/press/2014/1241740_5851.html

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月12日)

2014-09-12 | 今日のニュース

・Brent原油、2013年8月以来の安値$97.10、WTIは$90.92.

・サウジ石油相:油価下落は心配に及ばず。OPEC緊急総会の要なし

 

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇4 埋蔵量(4)

2014-09-11 | その他

(過去23年の埋蔵量の伸び率は年平均2.3%、石油と天然ガスの比率は6:4で変わらず!)
(3)1990年~2013年までの合計可採埋蔵量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-G03.pdf 参照)
 1990年末の世界の石油と天然ガスの埋蔵量はそれぞれ1兆275億バレルと109兆㎥(石油換算6,881億バレル)で合計埋蔵量は1兆7,156億バレルであった。因みに両者の構成比率は石油60%、天然ガス40%であるが、この比率は2013年まで殆ど変っていない。

 1990年代を通じて埋蔵量は年率1~2%で漸増し1999年には対前年比8.7%と大幅に増加し合計埋蔵量は2兆バレルを突破した。その後2002年に2.3兆バレル記録した後の数年間は1%以下の低い増加率にとどまった。しかし2007年以降は再び増加傾向を回復、2013年の埋蔵量は石油1.7兆バレル、天然ガス186兆㎥(石油換算1兆1,680億バレル)合計2.86兆バレルに達している。これは1990年の1.7倍である。

 1990年から2013年までの過去23年間の平均成長率は2.3%である。次項(可採年数)に述べるとおり埋蔵量を生産量で割った可採年数は過去20数年間ほぼ一貫して上向いており、石油及び天然ガスの探鉱・開発活動が活発に行われ、生産量をしのぐ埋蔵量の追加があったことを示している。

 これは何と言っても今世紀に入り石油・天然ガスの価格が大幅に上昇したことにより、国営企業・民間企業のいずれを問わず石油・天然ガス上流部門に大きなインセンティブが働き、深海、極地などでの探鉱開発が活発になり、或いは米国のシェールガス、シェールオイルに見られるように新しい開発生産技術が開花したことが大きな理由であろう。

(続く)

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BPエネルギー統計レポート2014年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇2 埋蔵量(2)

2014-09-09 | その他

(2)国別の石油・天然ガス合計埋蔵量(続き)
(埋蔵量を増やし上り調子の米国に対しじり貧のロシアとマレーシア!)
(2-2)2012年と2013年の国別埋蔵量の比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-T02.pdf 参照)
 通常埋蔵量は1年間で大きく変化することはなく、2012年末と2013年末を比較した場合もほとんどの国は横ばい状態である。大きな変化があるとすればそれは(a)年間生産量を上回る新規油田またはガス田が発見された場合(埋蔵量の増加)、もしくは(b)新規発見が少ないかあるいは全くなく年間生産量が新規発見または追加を上回る場合(埋蔵量の減少)のいずれかとなる。

 世界全体では2012年末の埋蔵量2兆8,470億バレル(石油換算、以下同じ)に対し2013年末の埋蔵量は2兆8,559億バレルであり、89億バレル、0.3%の微増である。2013年は同年の生産量に見合う追加埋蔵量があったことを示している。合計埋蔵量が世界1位のイランと2位のベネズエラは世界全体と同じ傾向を示している。

 しかし中には埋蔵量を増やしている国も散見される。その代表例は米国であり米国の場合埋蔵量が145億バレル増加し、増加率は16.4%である。145億バレルと言えばインドあるいはメキシコ1カ国の埋蔵量に匹敵する。これは言うまでもなく米国内でシェール・ガスあるいはシェール・オイルが次々と発見開発されているためである。シェール(頁岩)層は当初ガスの開発から始まったが現在では石油の開発が主流になりつつあり、米国では当分の間シェール・ブームが続くものとみられる。シェールガス(またはオイル)は米国以外でも試掘等により多数発見されているが、各国とも未だ全容が把握されておらずBP統計でも埋蔵量に加算していない。また中国、カザフスタンなどもそれぞれ埋蔵量が19億バレル(+5.0%)、15億バレル(+3.8%)増加している。

 これに対してロシアの埋蔵量は2012年の2,943億バレルから2013年には2,896億バレルへと47億バレル減少している。のちに述べるように2013年のロシアの石油・天然ガスの合計生産量は2,085万B/Dであり、同国はこの生産量をカバーするだけの埋蔵量を追加できなかったことを意味している。埋蔵量世界27位のマレーシアの場合はさらに深刻であり、同国の埋蔵量は2012年末の121億バレルから2013年末には105億バレルへと12.7%も減少している。新興工業国のマレーシアは今後も増大するエネルギー消費量をまかなうために国内生産を増加する必要があることは間違いなく、領海内の深海における新たな油・ガス田の発見・開発等これまでとは異なった技術的ブレークスルーがなければ埋蔵量の減少は避けられないであろう。

(続く)

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