たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

紀伊半島の旅(その7)由良町 白崎海岸と興国寺

2016年04月05日 | 
3日目

「凄いぞ、世界が真っ白だ」

未だ陽の登らない幾らか明るみを帯びた白崎海岸

眠い目を開けて化粧もせず外に出ますと

[真っ白だ]は雪では無く白い岩が・・・

昨夜は真っ暗でしたので分かりませんでしたが、私はこの白い岩に抱かれて眠っていたんですね






朝が早いと鳥たちも活発な様です

その頃、私は夢うつつでしたが雄さんは頭が紫の珍しい鳥を見たと言っていました






「あんな所に階段が・・・」

「これはアシタバか?」

「カッパドキアの風景みたいだな」

「氷山にも見えるし・・・」

特異な景観をに昂揚しながら上を目指しますと




そこは展望台になっており波静かな太平洋の海原が、、、

入り組んだ入り江が、、、

薄っすらと淡路島や四国が、、、

なぎさ百選に選ばれた所以が頷ける絶景を目の前にした私達はその場を暫く離れられませんでした


氷山の先端に朝日が昇り時刻は8時半を回りました

立ち去り難い海岸を後に向かったのは興国寺

門柱に味噌、醤油の発祥の寺と刻まれています

寺の奥さんの話によりますと

鎌倉時代、修行のため中国に渡った法燈国司が経山寺(きんざんじ)での修行の傍ら味噌の製法を習得し

日本に持ち帰り保存食として作ったのが始まりであり

醤油は味噌が生まれる過程で見つけたのが始まりだそうです

昨夜の食堂で聴きましたところによれば

普化尺八を広めたのも、この寺なのだとか










未だ時間的に早かったせいか訪れる者も居ない参道にはキリッと空気が張りつめていました

境内を掃き清める端正な顔立ちの次期住職さんに挨拶をし門を潜りますと

落ち着いた法堂の佇まいが更に身を引き締めます






この興国寺、源実朝の菩提を弔うため建立されたとの事です

後鳥羽上皇、源実朝、北條政子、紀州藩士の位牌等々が祀られている事からして

かなり格式の高い寺である事が分かりますね


一寸、珍しい桜を見つけました

雌しべが以上に長いこの桜は

ちょうど居合わせた住職さんに尋ねますと「実がなる桜なんですよ」と教えて下さいましたが

どうやら名前までは知らない様でした

実がなると言えば「さくらんぼ」の木

でも、花形が違う様な・・・


もう一つ、この寺を世に広めているのが「天狗」

興味深かったのは古くから伝わる伝説でした

火事で再建に困っていた伽藍を上州、赤城山の大天狗が一夜にして建立したと言うのです

迦葉山の天狗の事を知っていましたし、こんな所で群馬と繋がりが有ったとは驚きでした


門の脇の小さな土産コーナーを覗いてみます

何故か栃木産




(金山寺味噌と南天九猿の置物)

この二つを土産としましたが下の写真の南天九猿は

南天の船に九匹の猿が乗っている、すなわち難を転じて苦を持ち去るという縁起物です

余り縁起は担がない方ですが可愛いのでお味噌と一緒に土産としました


法事が行われると言うお忙しい中、忙しぶらず対応して下さった事に感謝し

興国寺を後にしました

(追)・・・この寺には四季を通じて祭りが行われますが

        特に盆の火祭りは盛大で一見の価値が有りそうです

      また訪れる機会が有れば良いのですが

続く

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