たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

紀伊半島の旅(12) 熊野古道を歩き熊野那智大社と那智の滝へ

2016年04月17日 | 
突然襲った熊本・大分の地震

友人は無事との事で安心しましたが

ニュースによれば日ごとに犠牲者の数が増えています

心を痛めながらもただ画像をみているだけで何も出来ないでいる歯痒さ

ただ、一日も早く終息する事を願うばかりです

どうか一日も早く日常が戻ります様に

    

恵比寿やさんで支払いを済ませ国道へ出た所で化粧道具のバックを置いて来てしまった事に気付きます

大慌てで引き返しますと

「那智大社へお出でになると仰っていましたので追いかけようかと思っていたところでした」

わ~、女将さんに心配かけてしまった

全く私って・・・

      

ここ那智勝浦は今、読んでいる小説に出てくる補陀落渡海が嘗て行われていた所

それを探るには宮海岸に行かねばなりませんが

水平線の彼方に極楽浄土が有るという他界観念から

生きたまま僧侶を船に乗せ海の彼方の浄土に送り出すと言う

そんな小説です

寺には10人の渡海上人の墓が並んでいるそうです


昨日の雨も上がり今日はスッキリと晴れました

那智大社は上まで車で行けますが、それでは余りにも夫須美神様に失礼です

昔の熊野詣での苦労を少しだけでも体験しようと

大門坂に有る大駐車場に車を置き熊野古道を歩く事にしました




長閑な風景が緊張を和らげてくれます


世界的な博物学者で有り生物学者でも知られる南方熊楠が宿泊したという旅館や

貸衣装やさんを左に見て鳥居を潜れば其処は熊野古道、大門坂の登りが始まります


古道に入ってすぐ石段を挟む様に立つのは夫婦杉

幹回り8・5m  樹高55m  樹齢800年という老杉です




院政時代の貴族たちが好んで通った道は江戸時代になると庶民もこぞって参詣する様になり

その様は蟻の行列の様だったそうです

昔は一日がかりで漸く辿り着ける距離も

今は車道が上まで延びていますので何の苦もなくお参りが出来ますし

大門坂駐車場からにしても僅か1時間の距離でしか有りません


この巨木もかなりの古木ですね

説明版によりますと幹回り8・57m  樹高30m 樹齢600年の大楠だそうです


昔も今も変わらない通行税



  

朱塗りの鳥居を潜って一登りで社殿に到着しました

色鮮やかな朱が眩しすぎる社殿です

社殿の前に有る巨木は幹回り18・5m 樹高27メートル 樹齢850年の樟の木

根幹部は空洞になっており、そのまま階段を使って一段上の社まで行ける様になっていました

ですが真っ暗です

  


  

上は那智大社本殿と熊野で採れる石で作った土産用の念珠、この外に硯も売られておりました

下は那智大社と隣接して建つ青岸渡寺

西国33所霊場・第一番札所らしい落ち着いた佇まいです


見えましたね

三重の塔越しに一本の白線の様

案内書には元々那智の大滝を信仰する自然崇拝に始まり

4世紀、仁徳天皇の頃ここに社殿を構えたのだと書かれておりました


これは、おまけ  ミツマタが余りに綺麗だったものでして

やはり滝は側で見たいですね

一旦、車道に下りて歩きづらい石の階段をドンドン下ります




見た目は歩き良さそうな石段ですが実際はバランスをとるのが難しく

私はとうとう膝が笑い出してしまいました

私も背負って~~~

と言ったらバカ言うんじゃないと言われそう










真に優美ですね

美人の羅衣を着て立ちたる如きなり

江戸後期の医学者、橘南谿はそう感想を述べたそうですが

言う事なし・・・それで十分ですね

続く


人気ブログランキングへ