たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(2)鹿島槍ヶ岳~蓮華岳縦走

2021年07月05日 | 心に残る思い出の山

続き

 

これから向かう鹿島槍ヶ岳

  

アオノツガザクラ & ツガザクラ

後方、種池山荘

爺ヶ岳南峰

 

アオノツガザクラが多い開けた草原状のお花畑からハイマツ帯の登りに変わると白山シャクナゲがチラチラと足元を飾った。棒小屋沢から吹き上げる風が心地よい。(上の右写真→ 黒部川の十字峡に流れ込む棒小屋沢、繰り返し読んだ「喜作新道」の熊男「きさ」が雪崩で命を落とした所だ。ミステリアスな死であった

途中、一休みしていると私達と同年配と思える夫婦も直ぐ近くで一息入れた。聞けば1週間後に控える登山に備え爺ヶ岳まで足慣らしにきたのだと言う。それも日帰りと言うから私達とはレベルが違う。

爺ヶ岳南方直下でご夫婦と別れ私たちは本峰を目指し巻き道をとった。トラバースが終わるころ「南峰の山頂はここですよ」と声がかかった。先ほどのご夫婦だ。見上げると1~2分の登り。これは寄って行くべきだろう。

爺ヶ岳本峰にて

雲が大分上がって針の木方面は完全に閉ざされた。その代り立山、剣岳が全容を現し右に目を転じれば明日、登る鹿島槍が力強くそそり立つ。標識に凭れてヘタヘタと座り込んだ目にその山岳風景はしっかり焼付いた。

いつの間にか押し寄せた雲にスッポリ覆われた爺ヶ岳本峰、山頂を踏むや雨滴が頬に当たった。遠くで雷鳴も聞こえ冷たい風も吹きつける。ほんの数分まで綺麗な青空だったのに変わりやすい山の天気を思知らされた。

急いで雨具を着用し山頂を辞そうとした時、目の前に動くもの。1匹の雷鳥だった。そっと近づいて2枚シャッターを切った。

北峰は眺めて通過、この頃から再び花の量も多くなり、その中で雨に濡れた一株のイワギキョウがとても印象的だった。樹林帯に入ると雨も上がり青空が戻った。ムッとする暑さに雨具を脱ぎ小憩。

樹林帯を抜けると鹿島槍を背にした今宵の宿「冷池山荘」の赤い屋根が見えた。アルペン的なその景色が気に入ってここで記念撮影・・・カメラの調子がオカシイ。シャッターが下りないのだ。どうやら電池切れらしい。

ここの写真は明日の楽しみとして北股本谷側に鋭く切れ落ちた谷を横目に取り敢えず小屋へ。14時45分、山荘着。最近の小屋はサービスが良い。先ずスリッパが出る。重いザックも案内嬢が部屋まで運んでくれる。「まるで旅館のようですね」と言ったら笑っていた。

何はともあれカメラの電池交換を行う。しかし・・・全く反応が無い。えらい事になってしまった。点滅はしているので鹿島槍くらいまでは持ってくれると良いのだが。

同室者は東京、大阪、神戸から来たご夫婦、神戸と言えばやはり震災。このご夫婦は幸い難を免れたと言っていたが聞けば聞くほど当時の凄まじさ、そして未だ尾を引く仮説住宅やその他諸々の問題が山積みになっているとの事だ。

明日は種池山荘、余力が有れば新越山荘と言う事で計画してきたが、後々の事を考え無理をしても新越山荘まで行く事にする。

小屋の掲示板→「剣岳に雲が掛かり南風が吹くと雨。剣岳三の窓付近が雷雨となると鹿島槍ヶ岳は40~1時間後に雷雨の恐れ

翌朝、空はうららかに晴れ渡った。体の調子もすこぶる良い。6時、ザックを小屋に預け空身で鹿島槍に向かう。

ほんの一登りで冷池テント場に出た。朝の光が眩しい。ここからの剣は一跨ぎ出来そうなほど近く岩の殿堂と称されるに相応しい姿を誇示している。左に目を移せば槍ヶ岳、南アルプス群、富士山、中央アルプスと一つ一つあげたらキリがない。朝の清々しい眺めだった。

 

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コメント (2)
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