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中頓別のライドシェアの利用者はなぜ伸びないのか?

2017-11-26 10:25:28 | もろっこクラブ
ここ2-3日、ご存じのウーバーのマッチングシステムを利用して自家用車の相乗りの実証実験をしている、北海道の中頓別町の実態を見ておりました。昨年8月からドライバー16名で開始しているこの新しい試みですが、これまで約300回の利用です。1日1回あるかないか。人口1800人の高齢化率37%の過疎地です。タクシーも1台ぽっきり。私の住んでいる町のデータでは、高齢者比率は23%と低いのに、人口の5%程度が移動に困難を抱えております。ここから推計すると中頓別にも最低90人ほどの移動困難者がいると思われます。でも、1年経っても300人とは、これは一体どういうことでしょうか?

90人が週一回使っても年間4500回はこの相乗り実験車を利用しても良さそうなものです。前日までに予約をしドライバーがいるかどうか確認し回答するといった煩瑣なやり方に比べて、必要な時にすぐに利用できるウーバーのマッチングシステムは、利用者にとっては随分と便利な筈です。

そこで、目にとまったのが今日の新聞の書評欄の「不寛容の不安」という本です。今の社会では「自分とは違う思想や信仰や生活態度を持つ他者に対する不安」が不寛容という態度を蔓延させているという。

少々牽強付会な見解であることを承知しながら言うなら、この新しいウーバーーシステムを用いた移動の試みは、確かに便利さはあるものの、多くの人たちはたとえ移動に困難を抱えていても、これまでは何とか自分自身あるいは身内に頼って解決しようとしてきた。ところが、それとは違う「生活態度」である無償運送の恩恵に自分だけあずかってもいいのだろうか?これは他者とは違う「生活態度」となり他者から不寛容な扱いを受けるのではないかとの、心理的な抑圧感のようなものが、住民の間に深く沈殿しているのではないだろうか?

ここに「無償運送」というものの奥深い問題点が隠されているように思う。これの打開策は、やはりドライバーと利用者は持ちつ持たれつの関係にあり、貸し借りはお互いにありませんよ、といったことを納得させる仕組みが必要なのではないか? そのためには、ボランティアドライバーに対する見返り処置がどうしても必須だと思い直しました。
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