先日、日経ビジネスオンラインの記事のヘッドラインを見て気になった、リコー遠藤副社長の「本質的な解決ができない(下)」というコラムを読んで、随分と思い当たることがありました。
中でも、「頭のいい部下ほど本質的な活動をしない」との下りは、世の管理者は心得ていた方が良さそうです。筆者の30数年間の会社生活でも、まさにこのことは沢山思い当たります。
遠藤氏も言っているように、「頭のいい人」とは、「目端が利く人」であり「褒めてもらおう」という意欲が高い人です。自分のスキルを磨く意欲があり、向上心は高く、問題が発生した時の処置の手際がよく、頼もしい人材に見えることが多い人です。
こういう人材に高い評点を無条件に与える管理者が多ければ多いほど、その会社は脆いと言う程度に考えておいた方が良さそうです。
何故なら、こういった人は、目端が利き褒めてもらいたいのは、ひとえに自分が高い評価を受け、ポストが上がり給料が上がることを、その会社での仕事の最終目標にしている人だからです。
故に、時間がかかり成果がすぐには出ないしんどい仕事をあえてやろうとはしません。つまり、本質的な問題解決は、会社であれどこであれ、しんどくて時間がかかるものですが、これを先験的に嫌っている人ばかりになると、会社というものは気がついたら大きな陥穽に落ち込み、昨今のような景気悪化になると、業績の悪化が雪崩を打って進行するものなのですね。
今日のソニーのストリンガー氏の社長兼務の新聞記事を見て、やはりソニーは駄目だったかとの意を強く持ちました。
というのも、これは業界の人のみならず、ソニーユーザーの間では何年も前から公然と囁かれていたことですが、ソニー製品の品質に対する信頼感が以前から随分と落ちていたのです。パソコン然り、携帯電話しかり、電池しかり。
ソニーは日本の企業には珍しく欧米的な合理的な経営をしているため、「頭のよい人」や「目端の利く人」が沢山いることでしょう。そういう人が管理者や経営層になっていけば行くほど、段々と足腰が弱くなり、品質問題のような地道な努力の積み重ねが必要な仕事ほど、疎かになってしまうのが世の常というものです。
筆者は、これは偏見かも知れませんが、松下製品というのは過去に炊飯器を1台買っただけで、どちらかというと嫌っておりました。しかし、松下という会社はソニーのようにスマートなイメージはありませんが、その分愚直なところがあります。
それを痛感したのは、随分昔の暖房機が原因で二酸化炭素中毒か何かを起こすということで、その該当機種の製品の回収に、一時期、一切のコマーシャルに代えて、必死で当該製品を保有する人々にテレビコマーシャルで呼びかけるのみならず、全世帯に郵便はがきを送るまでして、最後の1台まで探そうとした、その企業姿勢を見た時でした。
それを見て筆者も、潜在意識にあった松下への負の見方を変えたようです。
そして2年前にエアコンを買い替える時、ついに、それまでは嫌っていたあの松下製にしたのです。
今回の世界同時不況でパナソニックも当然に大きな影響を受けておりますが、同じ赤字でも内容がソニーとは随分と異なるようですね。
筆者が元いた会社も、グローバルにビジネスを展開しており、ソニーに負けず劣らず「頭のよい人」や「目端の利く人」が目立つ会社でした。そのためか、90年代初頭には、その巨象と称された会社が存亡の危機に陥ったことがあります。
しかし、この会社は幸か不幸か、各国の法律と経理処理だけは何があっても絶対厳守するという守りの哲学と、ちょっと変わった人間の意見を尊重するという、創業者由来の古き良き風土が未だ残っておりました。これがその時の窮地を救ったと思います。
だから、ちょっと変わった人間の1種である筆者のような凡才でも入社できたと思っております。何しろ、筆者は就職活動に無頓着で、4年の秋口になって受けた小さな日本のメーカーから内定取り消しを受けたほどの不良学生でしたが、そのノンセクト・ラジカルの成績&素行不良学生を受け入れたのがその会社でした。
株の世界でも、何とか継続的に勝つための「本質的な解決」をするため、日夜時間を使っておりますが、こればかりは、リコーの遠藤氏が言うように、「何で勝てないのか」の現象がきちんと掴めないため、原因を特定できず四苦八苦しております。
こりゃ、変な世界に引退後に足を突っ込んでしまったのかも???
中でも、「頭のいい部下ほど本質的な活動をしない」との下りは、世の管理者は心得ていた方が良さそうです。筆者の30数年間の会社生活でも、まさにこのことは沢山思い当たります。
遠藤氏も言っているように、「頭のいい人」とは、「目端が利く人」であり「褒めてもらおう」という意欲が高い人です。自分のスキルを磨く意欲があり、向上心は高く、問題が発生した時の処置の手際がよく、頼もしい人材に見えることが多い人です。
こういう人材に高い評点を無条件に与える管理者が多ければ多いほど、その会社は脆いと言う程度に考えておいた方が良さそうです。
何故なら、こういった人は、目端が利き褒めてもらいたいのは、ひとえに自分が高い評価を受け、ポストが上がり給料が上がることを、その会社での仕事の最終目標にしている人だからです。
故に、時間がかかり成果がすぐには出ないしんどい仕事をあえてやろうとはしません。つまり、本質的な問題解決は、会社であれどこであれ、しんどくて時間がかかるものですが、これを先験的に嫌っている人ばかりになると、会社というものは気がついたら大きな陥穽に落ち込み、昨今のような景気悪化になると、業績の悪化が雪崩を打って進行するものなのですね。
今日のソニーのストリンガー氏の社長兼務の新聞記事を見て、やはりソニーは駄目だったかとの意を強く持ちました。
というのも、これは業界の人のみならず、ソニーユーザーの間では何年も前から公然と囁かれていたことですが、ソニー製品の品質に対する信頼感が以前から随分と落ちていたのです。パソコン然り、携帯電話しかり、電池しかり。
ソニーは日本の企業には珍しく欧米的な合理的な経営をしているため、「頭のよい人」や「目端の利く人」が沢山いることでしょう。そういう人が管理者や経営層になっていけば行くほど、段々と足腰が弱くなり、品質問題のような地道な努力の積み重ねが必要な仕事ほど、疎かになってしまうのが世の常というものです。
筆者は、これは偏見かも知れませんが、松下製品というのは過去に炊飯器を1台買っただけで、どちらかというと嫌っておりました。しかし、松下という会社はソニーのようにスマートなイメージはありませんが、その分愚直なところがあります。
それを痛感したのは、随分昔の暖房機が原因で二酸化炭素中毒か何かを起こすということで、その該当機種の製品の回収に、一時期、一切のコマーシャルに代えて、必死で当該製品を保有する人々にテレビコマーシャルで呼びかけるのみならず、全世帯に郵便はがきを送るまでして、最後の1台まで探そうとした、その企業姿勢を見た時でした。
それを見て筆者も、潜在意識にあった松下への負の見方を変えたようです。
そして2年前にエアコンを買い替える時、ついに、それまでは嫌っていたあの松下製にしたのです。
今回の世界同時不況でパナソニックも当然に大きな影響を受けておりますが、同じ赤字でも内容がソニーとは随分と異なるようですね。
筆者が元いた会社も、グローバルにビジネスを展開しており、ソニーに負けず劣らず「頭のよい人」や「目端の利く人」が目立つ会社でした。そのためか、90年代初頭には、その巨象と称された会社が存亡の危機に陥ったことがあります。
しかし、この会社は幸か不幸か、各国の法律と経理処理だけは何があっても絶対厳守するという守りの哲学と、ちょっと変わった人間の意見を尊重するという、創業者由来の古き良き風土が未だ残っておりました。これがその時の窮地を救ったと思います。
だから、ちょっと変わった人間の1種である筆者のような凡才でも入社できたと思っております。何しろ、筆者は就職活動に無頓着で、4年の秋口になって受けた小さな日本のメーカーから内定取り消しを受けたほどの不良学生でしたが、そのノンセクト・ラジカルの成績&素行不良学生を受け入れたのがその会社でした。
株の世界でも、何とか継続的に勝つための「本質的な解決」をするため、日夜時間を使っておりますが、こればかりは、リコーの遠藤氏が言うように、「何で勝てないのか」の現象がきちんと掴めないため、原因を特定できず四苦八苦しております。
こりゃ、変な世界に引退後に足を突っ込んでしまったのかも???