NYダウは上げたようです。円安に戻しつつあります。アメリカは結局、経常赤字を埋めるためにドル買いを世界の経常黒字国(中国、オイルダラーなど)に続けてもらうための金利上昇継続を、インフレ懸念の対策を名目にしながら打ち出さざるを得ないようです。しかし、これが行きすぎると、GMに代表されるように、アメリカの景気が悪化しかつ金利の上昇だけが進み、ますます経常赤字、財政赤字も拡大し、不況下のインフレというスタフグレーション状態へ益々近づくことになりはしないかと言う懸念が強まります。かといって、金利上昇を打ち止めると、膨大なアメリカの赤字を埋める資金の流入が止まってしまいます。これはいくら基軸通貨国とはいえ、借金できる相手がいないのに消費を続けるということになりますので経済学上も成り立ちません。益々追いつめられつつあるというのがアメリカの現状かも知れません。となるとダウはもっと下げるでしょう。
片や、日本もゼロ金利早期解除の延期を日銀総裁が臭わさざるを得ない程に、金利上昇のリスクがあまりに強烈なダメージを与えてしまうようです。アメリカは利上げをまだできますが、日本は利上げすらできない重症なのです。これが今後の円安予測の根拠の一つかと思います。
ジャパネット銀行が一転赤字に転落したのは、1000億円以上も投資していた国債の評価損の計上が主因でした。実は全金融機関が持つ日本国債の総額は郵貯の300兆円少々を筆頭に445兆円にもなります。物価上昇率が3%になればマーケットでの長期金利は5%に乗せますが、それにより445兆円の国債の時価評価額は406兆円に落ちることとなります。この39兆円の損失により、今度こそ逃げ場のない金融危機に陥ってしまうのです。もちろん金利上昇は、企業業績の一層の拡大にて実質的にPER水準を切り下げないことには、バランスがとれないこととなります。しかし多額の有利子負債を抱える企業にとっては、金利上昇は業績悪化の引き金になりやすく(ソフトバンクが年間400億円の利払いといいます。今の低金利でです。)、とてもPERを下げるどころかむしろ上がってしまうでしょう。そうなると株価の下落にて調整せざるを得ません。つまり、日経平均も新興市場の指数も落ちて行かざるを得ません。
こういったことも踏まえると、これからの株式の値動きは、昨年までの一本調子の上昇が続くことはありえなく、2007年問題を控えていよいよ修羅場を迎える方向へ歩み始めているというのが筆者の認識です。既に割高となった日本株から、ヘッジファンドを始めとした
外国人が資金の逃避を始めると今年の年初に書きましたが、このところの日経平均の下落はまさに、その外国人売りに主導されております。
ちょっと暗い話になってしまいましたが、そういったマクロの情勢を踏まえて、明日の注目銘柄です。
1.3756豆蔵 ▲
話題性の多い株であり、まだ業績の急伸見込みはありませんが、時折人気化します。このところの全般の下げで200Kぎりぎりまで押されましたが、OSCは+2%の49%とこのところのピーク値をやっと抜きました。RSIも+5%。指数値面でも18日に底打ちです。この株は、全般に市場が不調の時に一人気を吐いたりします。つまり、デイトレーダー好みの株です。その点はお忘れなく。
2.8701イートレード証券 △
しかしこの株、出来高が衰えません。1月のピーク時よりむしろ増えております。貸借銘柄ということで、大口さんにとっては下落時にはたまらない株なのでしょう。しかし、そろそろ明らかに買い戻しが見られるようです。PERも31倍まで落ちました。これなら割高感はないでしょう。明日はこのところの3連騰の上げ疲れから170Kあたりまでの調整があればそれに一枚噛むというのが良いかと。OSCは既に+6%の53%まで言っており、5月11日の33%からほぼ上昇一途です。
3.3360グリーンホスピタル・サプライ △
この激変の相場でもこの株ほど安定しているのは珍しいようです。しかし、好決算も期待値が大きかったせいか、さすがに調整を余儀なくされております。しかし、OSCの440%→43%というのは3月中旬以来です。一旦押した後の反転が明日見れるかどうか注目。
4.3356テリロジー △ 5月23日決算注意
3月14日に下方修正をしておりますので、ここまでの下落は当然ですが、2月の底値まで行かずに何とか踏ん張っております。OSCはここにきて+3%の50%とコンバージェンス。この株の持ち直しに期待をしている方々が結構いることを窺わせます。30%台への下落は3月28日以来ないのですね。この株。ところで明るい材料は、資本提携先のネットマークスが上方修正しております。その恩恵がこの株にも波及しているかも知れません。フロールーターは来期への期待でしょう。決算時にこの販売見込みで来期の増額を示唆すれば、面白いかも知れません。筆者も旅行前に宝くじでも買うつもりで少し買って出かけるかも知れません。帰国時のお楽しみとして。
5.3782ディー・ディー・エス ▲
出遅れ株です。乖離幅は-80Kまで拡大、RSI(13%→15%)もOSC(43%→46%)も切り返しました。指数値は最低値をマーク中。来期の利益だけは若干四季報予想を下回るようですが、それ以外は予想通りに進捗しているようです。
6.3780メビックス △
OSCが+5%の60%と伸びて、RSIは逆に+3%ですが19%と低迷しております。19日に切り返したようですが、過去OSCは63%止まりのこの株がどう動くか注目。580Kあたりまでの切り返しはあるかも知れません。
7.3388明治電機工業 ○
隠れた好業績不人気株です。今期実績、来期予測ともに四季報を上回る決算を5月12日に発表したにもかかわらずそこからの下落に晒されました。PERは15倍まで落ちております。RSIは21%と前日同値ですが、OSCが明らかに+6%と切り返しましたので明日は出来高が少なくても上げ基調かと思います。何と言っても乖離幅が-310円と魅力的です。
8.8947ノエル △
引け後に上方修正を発表しましたので、寄り付きで上値追いは慎重にし、利確での押し目を狙う戦法です。金曜日にSJHDで筆者はエントリーに失敗しましたので、明日はこの株で再チャレンジの予定。SJの場合は+4Kの113Kと控えめに始まり、111Kの押し目が底でした。OSC42%→48%、RSI16%→27%です。乖離幅-4K。
9.8944ランドビジネス ○
不動産系での出遅れ物色が来るとしたらこの株あたりでしょうか。8918ランドは一足先に上げました。OSCは+4%の54%、RSIは+5%の27%と切り返し明白です。乖離幅-6K。指数値も18日を底に最低値水準です。
10.8942シンプレクスインベストメント ▲
これもランドビジネス同様の出遅れ銘柄です。決算は4月25日に出ております。出尽くし感から上げず、その後も相場の下落傾向に引っ張られ放しでした。乖離幅は-4K、OSC+10%の49%、RSI+13%の35%と切り返し顕著です。
11.3373リンクセオリーホールディングス ○
これも出遅れの不思議な株です。何かの話題で窮に上げることもあります。何と言っても乖離幅が更に拡大し-34Kです。底打ちはあったと見ていいでしょう。RSIは+1%の18%とコンバージェンス。OSCは-1%の33%です。明日は再度の600K割れあたりで拾うのが良いかと思います。下値抵抗の595K割れに注意。
12.9424日本通信 ▲
往年の人気株ですが、何と初値に接近しました。RSIはまだ+9%の16%です。OSCは+5%の42%、そして乖離幅も-3.3Kです。少ない資金で買えますので明日の押し目買いで72000円を割り込むことがないのをみての買いでどうでしょうか。
13.2438アスカネット ○
これもジリジリと押されて150K割れまでありました。しかし、RSIは8%のままですが、OSCが+9%の52%まで切り返しました。出来高も増えております。乖離幅も-3Kで、前日より下げました。出遅れの循環物色があれば170Kあたりまで飛ぶかも知れません。何せ、アスカは明日香ではなく飛鳥と書きます。但し「飛ぶ鳥を落とす勢い」という、この株に限っては不吉な日本語もありますので、葬式をビジネスにするこの株の弱点として、心の片隅に入れておいて下さい。4月決算です。
14.2483翻訳センター ▲
やっとこの株下げ止まりのようです。乖離幅が-31Kもあります。OSCは+1%の36%です。公募が35万円でしたが、一旦このあたりでPER44倍なら話題性からもいいのではないでしょうか。
15.3804システムディ ▲
これも同様です。乖離幅がまだ-119円もあります。OSCは+3%の38%まで切り返しました。学園ソリューションの提供という面白い業態です。これからの学校は淘汰の嵐が必至です。そこで各学園ともいかに一般企業並みの経営効率を上げるかが生き死にを分けます。そこでこの株が脚光を浴びる筈です。高齢化社会で医療のニッチを手がけるグリーンホスピタルも同じです。
16.2478MKキャピタルマネージメント ▲
上に同じ。乖離幅-26Kもあります。OSC43%→48%へ、RSI26%→33%へと順調に切り返しました。PER32倍はまずますでしょう。
17.6659メディアグローバルリンクス ▲
同様に乖離幅が何と-58K。RSIも+3%の28%へ、OSCだけは+4%の53%まで上昇。特に、乖離幅条件に注目。
18.4239ポラテクノ △
乖離幅はこちらは-15K。OSCは+1%の43%といい形ですが、RSIが-16%の20%まで下落しダイバージェンスしております。これは面白い現象です。公募が20万円ですので、18日で底打ちかと思われます。ここまでこの有沢製作所と日本化薬の出資会社が落とされるとはね。しかし、これ以上は偏向フィルムを手がける会社としてもメンツがあるでしょう。ここまで書いて下落の理由が分かりました。19日に経常減益を今期、来期について発表しておりました。明日は寄り付きの雰囲気に注意下さい。ファンダンゴほどの大幅減益ではありませんので、材料出尽くし感なら上げる可能性もありますが、とりあえずは押されるでしょう。
19.8783グラウンド・ファイナンシャル・アドバイザリー ▲
この株も出遅れ銘柄として挙げておきます。乖離幅は、何と-36Kもあります。OSCは+5%の39%、RSIも+8%の23%です。押されすぎておりますが、19日は久々に出来高少ないもののプラ転です。
20.2468ヒュートレック △
ついでにこの株も取り上げます。約4割ほど市場の利益期待を裏切ったかどで、この前まで70万円を越えていた株もここまで調整されました。RSIは12%です。乖離幅は-17K、OSCも+1%の34%と回復気味ではあります。
21.9702アイ・エス・ビー ○
4月17日には好決算で2000円越えまで一気に買われた銘柄です。それがRSI71%から5%にまで落とされました。売られすぎかと思います。19日も高く始まり押されました。まだしこりがあったということでしょうか。OSCはそのせいか-4%の41%です。PER18倍。
22.6902デンソー ▲
来期予想が控えめと言うことで、世界のデンソーがここまで売り込まれました。PERは20倍少々です。東証銘柄の平均からいっても、上げすぎと言うことはありません。乖離幅も-40円と良好ですが、何よりも、RSIが5月16日の8%を底に、+2%の17%まで回復です。円安も進行しております。ここからは一旦戻すでしょう。日経が上がればという前提ですが。
23.8888クリード △
不動産系ではこの株が面白そうです。乖離幅は-30Kと開きましたが、OSCは+5%の49%とコンバージェンスし、RSIも+3%の32%とコンバージェンスです。明日は少し押されて504Kに近づいたところからの反転に乗る手です。8902パシフィックも前日同値又は押されたところで買いかと。
24.2337アセットマネージャーズ ▲
証券参入で明日は上げるかも知れません。テクニカルにも乖離幅-15K、RSIも+2%の35%、OSCも+2%の50%と切り返し歴然で終わっております。ダヴィンチも同じような好テクニカル条件です。
25.2681ゲオ △
逆張りでこの株に注目RSIが14%まで落ちました。OSCは+4&の43%とコンバージェンスです。結構な出来高を伴い下げました。これは来期の経常利益予測が四季報よりも少し下回ることでの材料で付くし売りなのかどうか、そのあたり市場に聞きながら注意して参戦するのが良いでしょう。
26.5713住友金属鉱山 ▲
乖離幅が-119円まで拡がりました。金や銅の市況が悪いといっても上げすぎの反動です。RSIもOSCもコンバージェンスしましたので、明日の押し目での下げ止まりから狙う手です。26週線が1522円ですので、このあたりを目途に待ち伏せでどうでしょうか。5541平金は一足先に反発しております。
今日は結構多くなりました。それでも出遅れ株中心にピックアップしただけです。他の株は強気で終わっております。特に新規上場株で押されっぱなしの銘柄にご注目下さい。