↑ 松崎町の海端の公園塀の漆喰絵
伊豆半島の松崎町はなまこ壁で有名ですが、
土壁の上に瓦を並べて、その繋ぎ目を漆喰で補強する、これにより強風や火災から建物を守るそうだ。
火事になったら、土蔵の中のは燃えないけど蒸し焼き状態になるのかなあ。
で、その漆喰するのが左官屋さん。
その左官の神様と呼ばれているのが、ここ松崎生まれの入江長八氏。
彼は左官でもあるが、芸術家でもあり、その作品を集めた美術館が伊豆の長八美術館。
なまこ壁とは全然印象違うが、同じく漆喰をイメージした現代建築的な外観。
長八氏は松崎町の農家に生まれ、左官屋に弟子入り。
19歳で江戸に旅立ち絵を学び、30代で弟子を連れて松崎に帰ってきました。
いわゆる、故郷に錦を飾る、って感じか?
で、このお寺の天井画や壁の絵を描いた、というか飾ったというか。
長八記念館としてその作品が残されてるんだが、現在はコロナ禍のため休館中。
美術館はやってました。
長八氏は絵の上に漆喰を重ねて立体的にした、2.5Dの画を独自で開発?したわけで。
細かいとこまですごいから、ルーペで見て!と、ルーぺも装備されている。
手先画器用で絵心もある、って事で、普通?の絵も彫刻的な物もいろいろ作っていたらしいです。
そーいや、彼の左官屋時代のお師匠の漆喰像もありました。
きっと師匠は理解ある人だったから、独り立ちした長八に、江戸に職人としてではなく絵の勉強のため行く事を認めて応援してくれたんだろうね。
これは天井のランプ掛け。
これ、普通に掛け軸に見えますが、よく見ると掛け軸の布?部分とか下の木軸とか、掛け軸周りの壁まで、漆喰で作ってあるんですよ!
一種の騙し絵みたいな感じ?
この作品も、周囲に竹製の額があるんだが、この竹も実は漆喰性!
長八氏は江戸・東京でも活躍していて、神社仏閣の装飾や依頼を受けたら民間のお屋敷の装飾とかも手がけていたそうで、なんとなく静岡で例えれば芹沢銈介氏的な、芸術家と民藝職人を兼ねたような方だったのかなあ。
東京の作品のほとんどは太平洋戦争の空襲で焼失してしまったそうです。
松崎はその点、古い建物残ってるから空襲少なかったのかなあ?
なまこ壁かなんとなく黒いのは、白いと空襲の標的になるから、目立たないようにわざと上から黒く塗った、なんていう経過もあるらしい。
なまこ壁の断面図。
で、漆喰ってイメージはあるが、何から出来てるか?
なんとなく石灰と粘土みたいの混ぜたんでは?と思っていたら、海藻を煮詰めて糊にして+麻の繊維+石灰を混ぜて練って、って感じでそれ自体結構作るの大変なんだねー。
しかも乾くまでにやらんといかんし、なかなか時間芸術?的な面も。
で、泥団子に漆喰つけて磨くとカラフルなツヤツヤ泥団子が出来る!ってわけで、
泥団子ストライプ買いました〜