新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月6日 その2 斬りたい世相

2016-04-06 15:47:23 | コラム
イヤな世の中になったものだ:

曽野綾子さんは怒っていた。
6日の産経の「透明な歳月の光」のコラムで、新築の病院の電話でしか予約を受け付けないデイジタル化された制度を批判しておられた。私も何も病院だけではない「何々なら1を」や「これこれなら2を」と音声ガイダンスを極めて不愉快に思う後期高齢者の一人だ。こういう合理化はICT化が進んだ現代では当たり前だろうが、PCは言うに及ばずスマホとやらも扱ったことがない高齢者には拷問のようなものだと思う。

今やそういう不自由な高齢者が全人口の30%にも迫ろうという時代だとの認識が欠如していないか。大分以前に知った数字だが、高齢者の中でPCを持っているのは精々20%程度で、その中で使いこなしているのはそのまた数%だそうだ。イヤな時代になったものだ。我が旧制中学のクラス会で開催の通知をPC宛てに送れる先は10%くらいだと幹事が嘆いていた。

2007年だったかにANAと共同運行しているUnited航空に成田でチェックインした際に、所謂「タッチパネル」方式が導入されていて、アメリカにもないシステムだと驚かされたものだった。PCを扱う経験をしていたので何とか切り抜けたが、対応出来ないお客の為にその端末の前に係員を貼り付けていたのは果たしてこれが人員の合理化かと尋ねたい気分にさせられた記憶がある。

この「音声に従って」を日本郵政がいち早く導入し、書留類をこちらの不在を狙ったかのように配達しては「不在票」なるものを残していくのだ。その音声に従いたくても従えない家内は、わざわざ放置して健康の為の散歩をかねて新宿北郵便局まで片道30分を厭わずに取りに行っている始末だ。その固定電話のボタンを間違いなく押さねばならぬ煩わしさには「Japan Postは未だ未だお役所だなー」と不愉快にさせられる。

クロネコヤマトは不在票に記載されている係員の携帯電話にかければすぐに「直ぐに参ります」と来てくれるのと好対照だ。あれは自分たちの為の合理化に過ぎない。ICT化の進歩はとんだ罪作りなことをしたものだ。お世話になっている国立国際医療研究センター病院(NCGM)も何年か前に再来の手続きから支払いまでを機械化されたが、その端末の近所には常に誰かが回ってきていて途方に暮れている高齢の患者さんを助けておられる。目下家内がお世話になっている病院でも自動支払機の前には女性が張り番に立っておられる。大病院ではとっくの昔にカルテから何から電子化されているのは誰でもが承知の事実だろう。

話は変わって「乙武洋匡とその不倫」だ。
私は乙武なる人物は偉いものだなとは思っていた。だが、座右の銘として「マスコミが過剰にチヤホヤすると言うか持て囃す人乃至は物は胡散臭い」を掲げているので、乙武氏には何れ何らかの意外な災難が降りかかるのではないかと密かに勝手に考えていた。ところが今回の言わばオウンゴールのような不倫報道である。持て囃された時、高評価を得たことほど危ないことはないということを、週刊誌に証明されてしまった。

その辺りは明日にもモンゴル勢を押しのけて横綱になれるかのように持て囃された琴奨菊も実力不足の自滅ではあっても、マスコミに要らざる手助けをされてしまったと思えば解りやすくないか。私は乙武氏が今後どのように努力して失地を回復するかよりも、今後ともマスコミの過剰な褒めそやしで新たな道化役者が出てこないことの方を重要視したい。

それほど持ち上げられることによる意識せざる慢心か驕りというものは危険なことなのだ。かく申す私だって、20年ほど前に何度か講演のご依頼を受けて「先生、お鞄をお持ちします」など言って頂いた時には危うく舞い上がるところまで行ったので、此処は自戒せねばと懸命に自分に言い聞かせていた経験があるから言うのだ。だからその心の隙を突いていくマスコミは嫌いなのだ。

最後にタクシーの初乗り¥410案。
これまたオリンピック狙いというかその下準備というのは如何にもそれらしいと思う。だが、昨年の入院が続いた最悪の時期には精々¥1,000以下でも行けそうなほど近いNCGMにも安全を期してタクシーを頻繁に利用したものだった。それが乗り方次第では¥730ででも行けそうだとなれば利用させて頂くかと思った。しかし、何と今後さらにこの運賃を申請するタクシー会社が増えて初めて国交省が検討に入り、実施は来年の4月からだと報じられた。何だ、それではこれからも極力摂生に努めて来年の春まで生き長らえねばその恩恵に浴することは出来ないだと知った。

矢張り何事につけても規制は可及的速やかに撤廃して頂きたいものだと痛感した今日この頃である。

4月5日の出来事

2016-04-06 08:14:18 | コラム
タイガースが勝って良かった:

昨5日は精神的に安定していた日だったので気付いたことで、今年になって未だ髪を切っていなかったと解った。早速10:30の予約をしてからブログ等の整理に取りかかった。因みに、5日で家内の入院が48日に達していた。PCでの作業が終わってみれば早くも09:30だったので、慌てて身支度を調えて家内が入院する病院に向かった。09:55に8階の病室まで上がったが、生憎と何時もより早くリハビリ室に出かけた後。

そこで「気持ちを切り替えて」(何故か知らないがスポーツの選手たちは何か良くないことがあった後にこう言えと決められているようだが、あれは空念仏ではないのか。変えられないから自分に言い聞かせているのだと思う)新大久保駅に向かってJRで新宿駅に。もう20年以上は通っている住友ビル内の理髪店には予約よりも10以上前に到着。今年初めて大きな鏡で自分の顔をじっくりと観察。思ったよりも安定していて一安心。馴染みのKさんの診断では決して悪くはないとのことだった。

帰路は大江戸線とバスを乗り継いで11:30に病院に到着。4日から今までのナースセンターの前の言わば要注意の患者の部屋から軽症者用の新宿のビル街の夜景を楽しめる部屋に移っていたのだが、顔色も良くなっていた。だが、これは6日の検査でCRPの数値が「1」にまで下がっていれば退院と聞かされていた為だろうと思う。実は、あの夜景は以前に見たことがあるが、横から見たのではさほど感激的ではなかった。思うに、夜景は上から見下ろしてこそ価値があるのではないのか。

午後は歯科医の予約があったが、心静かにEメールやブログの整理をして休息。何となく久しぶりに自分の時間を確保したような気がした。そこで新聞のテレビ欄を見ると、巨人と阪神の今シーズンの初戦の中継があると知り、金本知憲と高橋由伸と共に指導者の経験がない監督がどのような野球をするのかに少し興味があったので、18時になるのを楽しみにして待つことにした。(巨人の高橋は昨年までコーチ兼任だったが、専業でない以上経験者と見なさない)

昨夜の試合で非常に面白かった点は「阪神は指導者が替わればあれほど野球の質が短期的に変わっていたこと」だった。マスコミ的にいえば機動性が著しく向上し、その試合運びに昨年の和田監督時代には見られなかった「作戦」があるという辺りだ。藤波が投手でありながら良く走って次の塁まで行ったとか、全員が凡打でも懸命に一塁まで走ったことなどは当然のことで、褒める対象にはならないと思う。昨年までやっていなかったことがおかしいだけ。この調子を何時まで維持出来るかに今年の阪神の命運がかかっていると思う。

私が余り解説者として評価しない元の広島監督の山本浩二は、一番打者として良く打っている明治大学から入った新人の高山俊を「何時までこの好調を維持出来るかが鍵」と言ったが、私もそう思ってみていた。高山は日大三高の出身だそうだが、この学校からは不思議と所謂アスリート(英語にはカタカナ語の「優れた運動能力を持つ者」という意味はない、念のため)が数多く出てくる。高山もその一人だと思う。阪神という安易な環境が彼を甘やかさないことを望む。即ち、金本次第ではないかな。

巨人は監督が替わったからと言って何ら新鮮味がなく、相変わらず余所から連れてきた者たち、今年はヤンキースからと言うギャレット、ロッテから取ってきたクルーズ(Cruzだが、クルスという表記もある)が4番と5番で、先発が昨年もいたポレダでは面白くも何ともない。他には長年ビリのテイームの4番田社だった今や守備が上手いだけの村田、中堅手にソフトバンクから来た立岡、左翼には中日が見放した堂上と来るのだから凄い。

ではあっても、阿部を初め多くの一軍級の連中を二軍に置いている、あれほどの選手層の厚みがあれば、今年も有力な優勝候補だろうと思う。高橋は昨年失態を演じた年上のコーチたちに囲まれて何処まで金本式の独自色を出せるかが鍵ではないのかな。実は、この試合の裏でやっていた西武対ニッポンハムの試合と、水泳のオリンピック選考の日本選手権も覗いていたので、巨人の野球に集中していた訳ではなかった。

また、7チャンネルの「ガイアの夜明け」で来日する外国人を狙った「民泊」の話は興味深く見ていた。ホテルの不足とそれに伴う宿泊代の高騰は承知していたが、民泊なるものの中には違法が多いという事情をあらためて確認させて貰えた。法律を改正して対応するの何のと言うが、文化が異なる外国人と付き合うのは容易なことではない。それと承知で民泊業に出ていくのだろうが、ホテル業の裏に何があるかを予め知らしめておかないことには要らざる軋轢や問題(これらを最近は一括りにして「トラブル」と言ってしまうが、止めた方が良いと思う)を生じるのは必定だ。安倍政権はこういう問題にも対応し、アメリカでは批准が危うくなりかけたTPPにも対応するのだから大変だなと思いつつ就寝。