舛添都知事の豪華海外出張に思う:
舛添都知事の海外出張における経費の使い方に批判の声が高い。橋下徹元大阪府知事にして前大阪市長は「都知事はそんなに偉いのか」と皮肉っていた。私は偉さの段階で出張旅費の範囲が決められている事の方がおかしいと、アメリカの会社員たちが言っていると思えてならないのだ。私は日本の会社でその偉さの順番に従った旅費規程を経験した後に、実費精算方式のアメリカの会社に転身したので、偉さの順でない方が遙かにやりやすかった。
その実費精算主義の背景にあるものは舛添都知事が言っているように「ホテルの部屋で海外の偉い方に会うかも知れないので」にはその都知事としての格式を主張したいことがあるのだろうと少しは理解出来る。だが、その為に彼自身が最高級のホテルのスイート・ルームを取るのは如何なものかと思ってしまう。お客様が見えるかも知れないと主張するのはややこじつけの感がある。
W社ではアメリカのAAAの格付け会社の社員としてその都市の一流ホテルに泊まるのは当然という誇りがあったし、会社として全米のこれというホテルには年間一定以上の宿泊を確約して所謂”corporate rate”という格安の部屋代が保証されていた。また、大きな都市に事業部の大半が出向くような”Convention”(業界の大会のようなものを指す)の場合は、幹事役がスイート・ルームに泊まり、事業部長でも普通の部屋に泊まっていた。
それは、客先等からの来客に備えてスイート・ルームに酒類から炭酸飲料まで一定以上の範囲の飲み物を適当なつまみ等とともに常備していたものだった。これは部員たちが外に出て行く必要がないようにとの配慮でもあるが、こういう形を採るのがアメリカの企業の普通のやり方のようだった。事実、こういう各社のスイート・ルームを訪問して商談の機会としているのがアメリカの習慣かと私は解釈していた。
舛添都知事が自らの格式を誇示しようとしたのならば、一寸筋が違うのではありませんかと言いたくなる。来客があって盛り上がってしまったような場合に寝室で寝ていられるかということもあるが、その部屋にいる以上出ていって挨拶せねばならないことにもなるのだ。私にはスイート・ルームの効率的な使い方をご存じではないのではと思わせてくれる
また、航空機にしてもその上場企業にしてその格付けに相応しいクラスに搭乗するように定められているが、偉さの順番でエコノミークラスにしか乗ってはならないなどとは定められていない。それでは出張旅費が予算を超過するのではないかとの心配もあるだろうが、そんなことはない。予算には予め出張旅費が精密且つ厳密に設定されており、各人が自分の予算の範囲内に収まるように十分に注意して行動するように出来ている。
その予算の全ての費目でその範囲を大きく超過するとか残すような好い加減な設定や、活動は許されないのだ。アメリカの企業では「予算」というものはこのように精密に来年度分を設定しておくのが各人の責任であると言うこと。W社ジャパンでは前月までの予算の使用状況と残高を費目毎に通告されるので、常にそれを脳裏において動いていたものだった。
舛添都知事に対する批判から一寸逸れてはしまった感もあるが、予算に見る日米間の企業社会における文化の違いをあらためて思い出して、論じてみた次第だ。だからと言って、桝添都知事のご参考に供したいなどと大それた事は考えていない。
舛添都知事の海外出張における経費の使い方に批判の声が高い。橋下徹元大阪府知事にして前大阪市長は「都知事はそんなに偉いのか」と皮肉っていた。私は偉さの段階で出張旅費の範囲が決められている事の方がおかしいと、アメリカの会社員たちが言っていると思えてならないのだ。私は日本の会社でその偉さの順番に従った旅費規程を経験した後に、実費精算方式のアメリカの会社に転身したので、偉さの順でない方が遙かにやりやすかった。
その実費精算主義の背景にあるものは舛添都知事が言っているように「ホテルの部屋で海外の偉い方に会うかも知れないので」にはその都知事としての格式を主張したいことがあるのだろうと少しは理解出来る。だが、その為に彼自身が最高級のホテルのスイート・ルームを取るのは如何なものかと思ってしまう。お客様が見えるかも知れないと主張するのはややこじつけの感がある。
W社ではアメリカのAAAの格付け会社の社員としてその都市の一流ホテルに泊まるのは当然という誇りがあったし、会社として全米のこれというホテルには年間一定以上の宿泊を確約して所謂”corporate rate”という格安の部屋代が保証されていた。また、大きな都市に事業部の大半が出向くような”Convention”(業界の大会のようなものを指す)の場合は、幹事役がスイート・ルームに泊まり、事業部長でも普通の部屋に泊まっていた。
それは、客先等からの来客に備えてスイート・ルームに酒類から炭酸飲料まで一定以上の範囲の飲み物を適当なつまみ等とともに常備していたものだった。これは部員たちが外に出て行く必要がないようにとの配慮でもあるが、こういう形を採るのがアメリカの企業の普通のやり方のようだった。事実、こういう各社のスイート・ルームを訪問して商談の機会としているのがアメリカの習慣かと私は解釈していた。
舛添都知事が自らの格式を誇示しようとしたのならば、一寸筋が違うのではありませんかと言いたくなる。来客があって盛り上がってしまったような場合に寝室で寝ていられるかということもあるが、その部屋にいる以上出ていって挨拶せねばならないことにもなるのだ。私にはスイート・ルームの効率的な使い方をご存じではないのではと思わせてくれる
また、航空機にしてもその上場企業にしてその格付けに相応しいクラスに搭乗するように定められているが、偉さの順番でエコノミークラスにしか乗ってはならないなどとは定められていない。それでは出張旅費が予算を超過するのではないかとの心配もあるだろうが、そんなことはない。予算には予め出張旅費が精密且つ厳密に設定されており、各人が自分の予算の範囲内に収まるように十分に注意して行動するように出来ている。
その予算の全ての費目でその範囲を大きく超過するとか残すような好い加減な設定や、活動は許されないのだ。アメリカの企業では「予算」というものはこのように精密に来年度分を設定しておくのが各人の責任であると言うこと。W社ジャパンでは前月までの予算の使用状況と残高を費目毎に通告されるので、常にそれを脳裏において動いていたものだった。
舛添都知事に対する批判から一寸逸れてはしまった感もあるが、予算に見る日米間の企業社会における文化の違いをあらためて思い出して、論じてみた次第だ。だからと言って、桝添都知事のご参考に供したいなどと大それた事は考えていない。