読書。
「憲法九条を世界遺産に」 太田光 中沢新一
を読んだ。
戦争=圧倒的な暴力。
「悲惨なもの」と従来は考えられてきたが、
悲惨なものなんて弱気なことを言ってないで、
大義のために戦えという風潮が起こりそうな気がする。
勝てば官軍なんだから、太平洋戦争みたいに負けなければいいんだという論理も。
超大国のアメリカがついてるんだから、もう負けることはないだろうと、
そういう算段で戦争に向かって歩いていくことになりそうな気もする。
例えば、ナチスドイツみたいな国がまた現れた時に、
連合国軍側として戦うことが出来ないから憲法9条を変えようと
いう話もあるかもしれない。世界の主要国の一つになった日本が、
そういう場合に戦わないのは国際関係上好ましくないという話。
ナチスドイツというよりも、現在の場合はテロリズムとの戦いなんだろう。
また、八紘一宇という考え方の、怖いくらいの魅力が恐ろしい。
そういうことを考えてから読むといいのがこの本じゃないかな。
もう9条が改憲されることをちょっと諦めているようにも読めてしまうところがある。
斜にかまえた読み方かもしれないけれど。
戦争は人を殺しておいて正義だという。それはないんじゃないか、と。
日常において、他人を傷つけることに慣れてしまっていることが、目を曇らせる。
人間関係の形成には多少のケンカが必要だとは思うのだけど、
それが鈍らせ、見誤らせるものもある。人を傷つけることに関してだ。
人を傷つけない言い争いのようなケンカがある。
そして戦争は、国と国とのケンカじゃない。
人々と人々の殺し合いなのだ。
『ダイ・ハード』なんていう殺しばかりの映画を観てきた人間が
いうのもおかしいように読めるかもしれません。
あれはフィクションであって、映画であって、現実ではないですからね。
そんなに楽しんだわけでもないし。と言い訳しておく。