Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『手紙』

2009-09-02 15:48:33 | 読書。
読書。
『手紙』 東野圭吾
を読んだ。

今もっとも売れている作家の東野圭吾さんの本です。
といっても、『1Q84』が売れている村上春樹さんのほうが
「今」という言葉にはしっくりくるのかもしれませんが。
東野さんの本は、これで3作品目なんですよね。
そこそこ面白かったなぁっていう記憶がありましたが、
それほどの「当たり」を引いてなかった。
買った本がね、代表作じゃなかったもので。

それで今作。
主人公の兄が一人暮らしの老婆の家に強盗に押し入るところから始まります。
主人公は犯罪者の兄を持つことで、生きるうえでの選択肢をせばめられ、
どんな方向に進んでもうまくいかないんですな。
主人公・直貴になりきって読んでみましたが、
しんどさとともに、「わかるよ」と同情というか共感というかがしてしまいました。
だけど、この小説にもかかれていますが、ふつうの人というのは、
離れてみていて応援したいとは思っているものの、
近い関係ではいたくないということなのです。
何かに巻き込まれる可能性はもちたくないわけです。
それでも、何人か主人公のためを思う好人物がでてきます。
そういう人たちがいることによって、読んでいても
良い意味で肌が粟立つようなプラスの気持ちになったりします。

読み始めてからいきなり暗くて重い話なので、
もしかすると、これは重松清さんの『疾走』のような
とんでもないお話になっていくんじゃないかと思われましたが、
あの作品ほど徹底的なおとしめぶりではなかったです。
落とすか落とさないか、東野さんはどっちにもできたのでしょうねぇ。
と、ネタバレになっていくので、このへんで。
この作家さんの本は『容疑者Xの献身』なんかもいずれ読んでみたいと思います。
面白かったです。

えー、最近このブログのアクセスが減ってきました。
それも夏休みが終わるのにあわせてです。
ということは、小学生とか中学生とか高校生とか10代の方たちが
読んでくれていたんでしょうか。
それとも、ただ単にアクセスが落ちたんだろうか。
できるだけ毎日更新しますから、よかったら読み続けて欲しいところです。
あんまり筆力がありませんが…。
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