Fish On The Boat

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『私たちの地球は耐えられるのか?』

2009-09-10 19:08:27 | 読書。
読書。
『私たちの地球は耐えられるのか?』 ジル・イェーガー 手塚千史訳 松本聰解説
を読んだ。

著者はオーストリアの、私たちの生活の持続可能性を研究している人。
持続可能性っていう言葉はロハスという言葉が登場して以来、
たまに耳にしたり目にしたりする言葉ですよね。
今のままのライフスタイルで、食料や水、石油などを消費していくと、
どんな未来が待ち受けているか。それは破局なのです。持続不可能。
そんな観点での言葉が「持続可能性」というものなのです。

どうやったら、今の世代そして、この先の世代が生き延びていけるのか。
本書の4章、5章で語られているのですけれど、これがまた難しくて
よくわかりませんでした。取り扱っている問題そのものが複雑なので、
簡単に表現できるしろものではないのでしょう。
それでも、これから、こういう見方でもっとわかりやすい本が出版されることを
望みます。持続可能性の研究が進めば、もっと具体例をまじえた論じ方
ができるのではないかな。
1章~3章までは、現在の地球の、いかに消費が過ぎるか、
自然に無理をかけているかを、データに依拠しながら説明してくれています。
ここまで書いてもらったら、
「地球の温暖化は人間のせいじゃない、太陽活動によるものか、
地球の気候変動のサイクルによるものだ」などとのんきなことは言えなくなります。
そんなことをいう研究者がいたとしたら、
それは象牙の塔(現実からかけ離れた夢想の世界。
学者が閉じこもる研究室の比喩)なんでしょうね。

こういう、ずばっと言ってくれる本が出てきて、
欧州(特にドイツに関する記述が多い)の研究の現状なんかを
知らしめてくれると、ほんとにもう瀬戸際だなという気がします。
また、人口の増加は今がピークというわけではなくて、
これからも増加の予想が立てられています。
そんな、悪化していく状況を知りながら、現在の危機までも感じさせられると、
焦りを通り越して、なんらかの働きかけをしなければならないかな、なんて
思ったりします。

僕個人で言うと、車の利用を数年前に比べると少なくしています。
二酸化炭素の排出を少なくしている。
でも、これくらいなんだよなぁ。何かの本で読んだけど、
やっぱり企業が取り組まなければ、よくならないみたいです、環境問題は。
国が枠組みを作って、環境にやさしくすることで利益を得られるように
なったなら、それは環境革命とよべるくらいの大きなムーブメント
になるのかもしれません。

また、持続可能性学ってものが大切になってくると最後の方に
書かれているのですが、これ、大学でも持続可能性学部とかが
そのうち作られるということですよね。
大事な学問だし、義務教育にも取り入れたらどうだろうと思いました。

ちょっと難しい本ではありますが、
前半の、環境問題の現状はわかると思います。
大学生以上が読むといいのかもしれませんが、
意欲的な高校生もどうぞ。
ちなみに、この本は2008年12月に発行されたものなので、
まだ古くはないです。
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