Fish On The Boat

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『決断力』

2011-02-25 19:48:14 | 読書。
読書。
『決断力』 羽生善治
を読んだ。

将棋の有名な棋士の羽生さんが書かれた本です。
前人未到の7冠独占をやった人ですね。
若い頃からずば抜けて強かったらしく、
長いこと話題にもなって、もっともよく知られる棋士の方ですよね。

そんな羽生さんはどのような考え方、価値観を持った人なのか。
やはり天才なのか。天才の思考とはどういうものなのか。
そういった興味を持って読んでみましたが、
まったくもって突飛な考えを持った人ではなかったです。
論理的思考と勘というもののどちらも大事にしているようです。
僕が見た感じだと、その彼の「勘」という部分がブラックボックスといいますか、
そこが一般人との差を生んでいる部分だと思いました。
勘がはじきだす選択は非凡であっても、そのほかの部分については、
一般人と変わらない。変わらないながらも精度と追及の度合いが高く、
いろいろな経験から得たものというのもあって、
それらで構築されているやっぱりオリジナルな「羽生さん」という一人の人が
見えてくる次第でした。
変な事は言ってません。
どの考え方も、読者それぞれの生活に結びつけて考えてみても
役に立つものになるでしょう。

一番印象に残ったのは、「直感の7割は正しい」というところでした。
7割っていえば、イチロー選手の打率をはるかにしのぐ割合です。
ともすれば社会において、論理ばかりがもてはやされる中で、
直感の大事さを説いてくれたのは嬉しいです。
だけど、「その直感で出た答えを論理的に説明せい」とかって言われたりもするのよね、社会では。
とはいえ、40万部突破で、経営者の人も読んでいる本だと帯に書かれていました。
起業するような人は頭の柔らかい人が多いのだと思いますけれど、
そうやって経営者になる人みんなが、羽生さんに代表される考え方を持っているわけではないです。
それはそれで残念なことなんですが、そこから学んで変わっていこうとしてくれると面白くなります。
何が理想かって、こういう羽生さんの考え方に触れて、「そんなこと考えてもみなかった!」と
驚くよりも、「そうそう、その通りです!」と共感を持って受け入れる人が多くなることですねー。
まぁ、でも、既存の考え方にはそれなりの理論というか、安全性みたいなのが
あるでしょうから、丸ごと批判するわけにもいかないでしょうが…。

そして、直感というものを鋭くして精度を高めバリエーションを増やすには、
感性を鍛えることだとおっしゃっています。
そこはね、僕もそうだと昔から考えてきたことなので(よく忘れるけれど)、
大きくうなずいた次第です。

人間、感性とか人間性とかがすごく大事ですよねぇ。
人間性が好いということで、ちゃんと仕事になるっていうのがあったらいいですねぇ。
芸能人の人にはそういう人がいるのかな?
…戦場カメラマン???

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