読書。
『投資は「きれいごと」で成功する』 新井和宏
を読んだ。
投資ファンド・鎌倉投信を作った著者による、
新しい投資のありかたを身を持って提言した、
その精神や考えをわかりやすく解説した本。
さくさく読めます。
この鎌倉投信の新しいやり方は、
2013年の投資効率をみる賞で第一位を獲得したとのこと。
投資というと、
ハイリスク・ハイリターンなものというイメージがありました。
社会的に肯定されたギャンブルといったイメージもです。
さらには、金融工学という学問でカチカチに固められた、
金儲けのためだけに特化した錬金術の門をくぐる行為、
とも想像していた。
本書を読むと、
リーマンショックまでの金融界は、
まさにそんな感じだったようです。
数式で固めた理論でもって、株を売り買いする。
まあ、全く詳しくない分野なので、
細かいところはわからないのですが、
そうやってお金を生みだしてきていた。
でも、そのようにお金が増え続けるというのは、
すごく不自然な印象があります。
鉱脈から、埋蔵している鉱物をどんどん掘っていくのとは違う。
ある期間を限定して考えれば、お金の総量が決まっていて、
それを奪い合うようなイメージがありますが、
やっぱりそのあたりも知識がないので、僕にはなんともいえない。
本書の著者は、
鎌倉投信という投資ファンドをやっていますが、
既存の考え方とは180℃違うような方向性でもって
投資をおこなっています。
まず、ローリスク・ローリターンで、
投資先を決める際にも、数字を最重要視しない。
元来とは違い、投資家は投資先を知っているし、
投資先は投資家がどんな人物なのかも知ることができる。
そこには、人と人とのつながりが、鎌倉投信を仲介して
できあがっているんですよねえ。
鎌倉投信は、
小さな、いい会社にだけ投資する。
(その会社のなかには、
なんと僕の街の会社の名前もあがっていました)
会社選びには、
その会社がいい意味で「ずるい」ビジネスモデルをもっているかどうかを
重要な点として見ています。
また、技術力よりアウトプットの量が大事だとか、
現場力が大事だとか、
現実的に、会社のなかでの注視する点をちゃんとおさえています。
そして、
資産の形成のみならず、社会の形成とこころの形成をも含めた、
三つの形成材料を等しく並べ、
どれも欠けてはいけないものとして、
投資の定義にしているようです。
それで気付いたのですが、
この鎌倉投信のやり方の根本にある思想って、
マルセル・モースの『贈与論』的な
「ひとのあたたかみをちゃんと感じる」ことを
大切に考えるものですね。
モノに生産者や持ち主のあたたかみを感じることが大事じゃないのか、
たとえばトレーサビリティをそういう方向性に使うだとかって考えてましたけど、
この著者はお金でそれをやったか!
思想だけじゃなしに、
具体的に「できること」として
現実面に落としこんで行動できる仕組みにしたのは非常に素晴らしいです。
お金は身近なものです。
そのお金に対するイメージが変わっていけば、
世の中も変わっていくかもしれない。
そういったアプローチでもありますね。
やってる人はやってるんだな、
と教えられる、よい読書体験でした。
『投資は「きれいごと」で成功する』 新井和宏
を読んだ。
投資ファンド・鎌倉投信を作った著者による、
新しい投資のありかたを身を持って提言した、
その精神や考えをわかりやすく解説した本。
さくさく読めます。
この鎌倉投信の新しいやり方は、
2013年の投資効率をみる賞で第一位を獲得したとのこと。
投資というと、
ハイリスク・ハイリターンなものというイメージがありました。
社会的に肯定されたギャンブルといったイメージもです。
さらには、金融工学という学問でカチカチに固められた、
金儲けのためだけに特化した錬金術の門をくぐる行為、
とも想像していた。
本書を読むと、
リーマンショックまでの金融界は、
まさにそんな感じだったようです。
数式で固めた理論でもって、株を売り買いする。
まあ、全く詳しくない分野なので、
細かいところはわからないのですが、
そうやってお金を生みだしてきていた。
でも、そのようにお金が増え続けるというのは、
すごく不自然な印象があります。
鉱脈から、埋蔵している鉱物をどんどん掘っていくのとは違う。
ある期間を限定して考えれば、お金の総量が決まっていて、
それを奪い合うようなイメージがありますが、
やっぱりそのあたりも知識がないので、僕にはなんともいえない。
本書の著者は、
鎌倉投信という投資ファンドをやっていますが、
既存の考え方とは180℃違うような方向性でもって
投資をおこなっています。
まず、ローリスク・ローリターンで、
投資先を決める際にも、数字を最重要視しない。
元来とは違い、投資家は投資先を知っているし、
投資先は投資家がどんな人物なのかも知ることができる。
そこには、人と人とのつながりが、鎌倉投信を仲介して
できあがっているんですよねえ。
鎌倉投信は、
小さな、いい会社にだけ投資する。
(その会社のなかには、
なんと僕の街の会社の名前もあがっていました)
会社選びには、
その会社がいい意味で「ずるい」ビジネスモデルをもっているかどうかを
重要な点として見ています。
また、技術力よりアウトプットの量が大事だとか、
現場力が大事だとか、
現実的に、会社のなかでの注視する点をちゃんとおさえています。
そして、
資産の形成のみならず、社会の形成とこころの形成をも含めた、
三つの形成材料を等しく並べ、
どれも欠けてはいけないものとして、
投資の定義にしているようです。
それで気付いたのですが、
この鎌倉投信のやり方の根本にある思想って、
マルセル・モースの『贈与論』的な
「ひとのあたたかみをちゃんと感じる」ことを
大切に考えるものですね。
モノに生産者や持ち主のあたたかみを感じることが大事じゃないのか、
たとえばトレーサビリティをそういう方向性に使うだとかって考えてましたけど、
この著者はお金でそれをやったか!
思想だけじゃなしに、
具体的に「できること」として
現実面に落としこんで行動できる仕組みにしたのは非常に素晴らしいです。
お金は身近なものです。
そのお金に対するイメージが変わっていけば、
世の中も変わっていくかもしれない。
そういったアプローチでもありますね。
やってる人はやってるんだな、
と教えられる、よい読書体験でした。