「2つの続いた奇数の積に1を加えると4の倍数になる」このことを証明せよ。
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(証明)nを整数とすると、2つの続いた奇数は
2n-1,2n+1 と表せる。
したがって、2つの続いた奇数の積に1を加えると、
(2n-1)(2n+1)+1=4n^2-1+1=4n^2
n^2は整数であるから4n^2は4の倍数である。
したがって、
2つの続いた奇数の積に1を加えると、4の倍数になる。
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まず証明すべき事柄(命題)を仮定と結論に分けて考えさせる。
仮定は「2つの続いた奇数の積に1を加えると」
結論は「4の倍数になる」
そこで仮定にしたがって、具体例で考えると
1,3 1×3+1=4 =4×1 4の 1倍→(1の2乗)倍
3,5 3×5+1=16=4×4 4の 4倍→(2の2乗)倍
5,7 5×7+1=36=4×9 4の 9倍→(3の2乗)倍
7,9 7×9+1=64=4×16 4の16倍→(4の2乗)倍
9,11 9×11+1=100=4×25 4の25倍→(5の2乗)倍
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-仮定の部分-+--結論の部分--+結論を掘り下げた部分--
こうしておいて、これを文字で表す
2n-1,2n+1 (2n-1)(2n+1)+1=4n^2=4×n^2
n=1 1,3
n=2 3,5
n=3 5,7
n=4 7,9
仮定「2つの続いた奇数の積に1を加えると」
これを式で表すと(2n-1)(2n+1)+1
計算すると
(2n-1)(2n+1)+1=4n^2=4×n^2
結論「4の倍数になる」
このように、文字式の計算が仮定と結論を具体的につなぐ役割をしていることに気づかせる。
特に「倍数問題」は何倍かまで追求すると証明の仕組みがわかりやすくなる。
「3の倍数になる」なら「3の何倍になってるか?」
「4の倍数になる」なら「4の何倍になってるか?」
「5の倍数になる」なら「5の何倍になってるか?」
というのは「○の倍数になることを証明せよ」という問題の証明は
「○×(整数)」という式に表すことで証明が完結する。
このとき(整数)のところは文字式になるはずだ。この文字式がどんな式になるかを、多くの具体例から推測すると証明の道筋がつかめてくる。
この例の証明でいきなり奇数は2n-1,2n+1などとかつては指導したことがあったが、生徒にはさっぱりわからなかったようだ。
今までの連載で説明したように、
何を文字nで置くのかを明確にしておけば、自然の流れで2n-1、2n+1の発見は容易であろうと思う。
終わり