TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

規則性の問題2

2010年11月03日 11時06分49秒 | 数学
裏技の紹介

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自然数をある規則性にしたがって、並べたものがあります。

一番目は、1、2、3二番目は1、2、3、4、5、6三番目は1、2、3、4、5、6、7、8、9
で、問題用紙には、3ずつ縦に並んでいます。

それで問題ですが、n番目の表に書かれている自然数の全ての合計をnを使った式
で表しなさい。
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裏技の準備として、つぎの数の規則を考える
1、3、5、7、9、11、13、・・・
n番目の数を表す式は?

カンのいい人ならすぐ分かる。そう、2n-1
では、この式をカンを使わずに求める方法。

n番目の数をmとして、表を作る。そして、mの隣同士の数の差を求める。「階差」という。


階差が一定で2であることが分かったが、これで
「nが1ずつ増加したとき、mが2ずつ増加している」ということが分かった。

規則性の問題だが、ここで、nをx、mをyと置き換えて読んでみると
「xが1ずつ増加したとき、yが2ずつ増加している」となる。何か思い出したかな?
    yがxの1次関数である  ということ。

つまりmがnの1次関数。したがって、m=an+bと置き、a, b を求めればいいのだが
階差が2であるということは、変化の割合が2。つまりa=2
m=2n+b

bを求めるには、例えば、
n=2のときm=3 であるから、代入して 3=2×2+b
より、 b=-1
したがって、m=2n-1 を得る。

この方法を使う。

元の問題に戻ろう。

n=1 1、2、3、
n=2 1、2、3、4、5、6
n=3 1、2、3、4、5、6、7、8、9
n=4 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12
n=5 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
n=6 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18

とりあえず、数の合計の表を作る。


となり、差2が9で一定になる。差が一定になるまで差を計算するが、高校入試では2段階で終わるのがほとんど。
1段階上の(差1)はnの1次式になる。
(差1)=9×n+(定数)という1次関数になるので
差1の式が求められるが、ここでは求める必要ない。

性質として次の知識を使う。これは丸暗記すればよろしい。受験だし、裏技なので・・・。

差1はnの1次式となるが、このとき、
「もう1段上の和mはnの2次式になる」ことが知られている。
(高校数学の階差数列のところで説明がつく。後日証明をアップする。)

そこで、とおいて、
n=1,2,3  m=6,21,45 を代入してやると
6=a+b+c
21=4a+2b+c
45=9a+3b+c
これらを連立方程式として解けば良い。
a=9/2、b=3/2、c=0が得られるので、


以上。高校入試では2次式どまりなので、これで十分。困ったらこの方法を使ってみよう。

で、実は、もっと裏技がある。この方法の簡略形。
つづく

コメント
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