夏期講習2年数学。ちょうど連立方程式の解き方を復習しているところ。だが、夏期講習に来る生徒の中に、正負の数の計算もおぼつかない生徒がいるというので、その生徒を別室で担当した。 退職する前には、この学年の生徒も教えたのでよく知っている生徒だった。
1次方程式の復習からということで、指導を開始。姉に聞きながらプリントを解いてきた。よく見ると移項や計算がまったく不安定であった。
合っているかどうか見てくれ、というので、すぐに○×をつけないで、解の確認の方法を教えた。左辺と右辺のxに数を代入する。
例えば、
5x-8=2x+1 で、x=1と答えを出したのであれば、x=1を代入して
左辺は5×1-8=5-8=-3
右辺は2×1+1=2+1=3
左辺=右辺、となっていないので間違っている。
この5-8の計算にも注意を払う。5-8=-3もあやふやだった。
まずは「項の意識を」もってもらう。5-8=5+(-8)であることを確認する。
この生徒の答案例(実際の答案とは違っているかもしれないが、こんなだった)
5x-8=2x+1
5x+2x=8-1 つまり「移項」がめちゃくちゃ。符号もめちゃくちゃになっている。
7x=7
x=1
-8の移項の位置が=の直後に来ていたのは式の計算との混同がある。
以降を意識していれば、右辺の式の後ろに移項するはず。
ということで、まず「移項」をするには「項の意識」が大事だと教える。
次に「移項するときは符号が変る、符号を変えて項をうつす、これは暗記する。」
理屈の前に「暗記、手順」を強調した。正負の数の意識がない生徒に理屈を教えても理解できないからだ。
で、やってみる。
5x-8=2x+1
2xが左に移るので、符号を変える-2x
-8が右に移るので、符号を変える+8
この生徒は
5x-2x=+8+1 とやったが、ここはだまって認めてやる。
4x=9
になったりする。xが文字ではなく1かなんかの数だと思ってしまうらしい。
そこで
「xは単位のようなものだ。たとえば2x+3xは2円+3円=5円みたいなもので、2x+3x=5x」と教える。
いささか乱暴でもよい「感覚的に処理できるように」教える。
授業ではこんな教え方はしない。あくまでも「補充教室」での話。
というわけでやっと
3x=9となり x=3がでる。
このあと検算をする。x=3を代入。
左辺は 5×3-8=15-8=?????
さてこの生徒は15-8ができない!
どう教えるか・・・
つづく