イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「幸田露伴江戸前釣りの世界 釣り文学傑作選 誰でも読める現代語訳」読了

2011年10月27日 | Weblog
幸田露伴/〔著〕 木島佐一/訳・解説 「幸田露伴江戸前釣りの世界 釣り文学傑作選 誰でも読める現代語訳」読了
僕は近代の日本文学についての知識などはほんのかけらも持っていないが、幸田露伴は釣りが好きな人だということを何かの機会に知った。露伴の釣りに関する文章を集めた本を買ってみたが、使っている言葉使いと漢字がわからない。これは読めたものではないなと思っていたらこの本を見つけた。



原文のニュアンスをすべて表現しているとは思わないが、それでもさすがに含蓄、薀蓄のある文章が多い。

「幻談」というのはけっこう有名な話で講談にもなっているが、釣師がもつ道具への執着はそこまであるのかという話だ。

はたまた、釣師の心得として、遊漁者は漁師ではないのだから漁獲の多い少ないを言ってはならない。エサ代もケチってはダメ。竿はやわらかく糸は細く獲物をすばやく採るなどということを考えるべきではない。安いエサを使い、そっけない釣具を用いて、単に漁獲を多くしようと思うならば、その人はすでに娯楽のために魚を釣る人ではなくなって、利益のために魚を釣る人になってしまう。
これは心に留めておかなければ・・・。

リールの原点はのひとつは中国にあり、「釣車」と呼ばれたとか、釣り針についてもその考証がこの時代にあって外国の物にまで及んでいる。

残念なのは、著者の文章か、露伴の文章を訳したものか、よくわからない構成になっている。おまけに脱字がすこぶる多い。あとがきでお世話になりましたと言っている人の肩書きまで脱字になっている。

やっぱり原書で読まないと面白さはわからないのだろうな。
コメント
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