イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

Eiko 「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」読了

2020年08月19日 | 2020読書
Eiko 「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」読了

サンマーク出版という出版社があるのだが、そこは40人ほどの社員でありながらミリオンセラーを連発している元気な出版社らしい。そこの社長のインタビューを読んでいるとこの本についても語っていた。
これはきっと腰痛対策にもいいのではないかと思い、手に取ってみた。

その内容なのだが、Eiko先生というヨガのインストラクターが開発した方法を4週間続けるとどんなひとでも開脚ができるようになるというものだ。しかし、実際の開脚の練習についての核心部分については写真が入ってやり方が説明されている5ページだけで、あとは編集者とEiko先生のコメントとその他3/4がなんだかよくわからない小説が書かれている。
その小説というのは、栄転で戻ってきた上司がその部下に開脚ができるメソッドを教えるという内容なのだが、この小説の“開脚”を“信仰”に、“Eiko先生”を“教祖”に、“堀部長”を“支部長”に置き換えるとそのまま新興宗教の宣伝パンフレットに載っていそうな小説になる。
読んでいて気持ち悪くなりそうな内容なのだが120ページほどしかなかったので我慢して読み通した。
主人公たちはこの、開脚に並々ならぬ重要性と意欲を持っている。それが気持ち悪くなる要因なのだが、教祖のEiko先生は、「開脚ができるかどうかって、ただ開脚だけの話ではないと思っているのです。結局、自分の意思で成功できるかどうか、人生を自らの力で切り開けるかどうかと同じじゃないかって。」と開脚ができるようになることが人生を成功させる十分条件であるというようなことをおっしゃる。そして支部長の堀部長はこんなことまで言う。「開脚もできないやつが、何かを成せると思うな。」
僕は自慢も何にもならないのだが、一時期ダイエットに挑んで体重を最大約26㎏減らしたことがある。(今では10キロもリバウンドしているが・・)
世間ではきっと開脚よりもダイエットのほうが評価は高そうだけれども、それでも「人生が成功した」というほどの感慨も何もなかったし、結果はまったく逆で今では完全に負け組だ。それができたからといってなんでもできるというようなスーパーマンになった気分でもなかった。
そういうようなことを実感しようと思えば、やっぱり、へんな新興宗教にのめりこんで我を忘れるしか方法はないのではないだろうかと思ってしまうのだ。

しかし、この本が本当に100万部を超えるベストセラーなのだろうか。ひょっとしたら、この本に紹介されている、「私もできるようになりました。」という人たちやEiko先生の生徒が買い占めて無差別に配った結果だったりしないのだろうか。
どちらにしても、こんな本しかベストセラーにならないというのではこの国もおしまいだと思う。

ただ、体が柔らかくなるということはいいことだろうから、僕も一応、4週間やってみようと思う。はたして、来月、良い結果を報告できるだろうか・・。










コメント
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