昨日と今日で恒例の船底塗装をやった。
その前に、一昨日、シンナーが切れていたので買いに行った船具屋さんで面白いものを見つけた。
おそらく60代くらいのひとでなければ使った記憶がないのかもしれないが、肥後守だ。かくいう僕も実際に使ったことはない。多分、両親もナイフなんて危ないという主義だったのか、そういったものを持たせてくれることもなかった。だからこれを見た時、と小さい頃の憧れなのだろうか、思わず「これって売ってくれるんですか?」と聞いてしまったのだ。なんだかうれしいものを手に入れたので明日の上架作業はきっとうまくいくという何の根拠もない確信を持てたのである。
ブログに何度か書いてきたが、今まで使わせてもらっていた和歌浦のスロープが大幅値上げとなり実質的に使わせてもらえなくなってしまった。
代わりの場所を探さねばならないのだが、正攻法ならドックを備えた修理屋さんの設備を使うところだ。しかし、以前に使った場所の印象が悪く、ヒロシじゃないが、僕の船にはきっと漁港の風景がばえるはずだといろいろな人たちの伝手を頼って結局、一番近くの雑賀崎漁港にたどり着いた。こういうのを青い鳥現象というのだろう。
ただ、ここを使う条件として、何もかも自分でやらねばならないということがネックとなった。結局、最終的にここの管理人さんを紹介してくれた同じ港に船を係留しているanotherNさんにウインチの操作をお願いした。
とはいっても僕もanotherNさんもこういうことをした経験がない。作業の大体の流れは和歌浦で経験しているがそれはちからさんの経験値だけが頼りであった。
だから、昨日まで頭の中で何度もシミュレーションして作業に臨んだ。待ち合わせ時間寄りの早く雑賀崎漁港の岸壁に船を着け初めてウインチの操作を練習してみる。
事前に管理人さんから電源スイッチの場所やボタン操作の方法を教えてもらっていたものの、最初にボタンを押したときにすごい音がしたのでいきなり驚いてしまった。
anotherNさんが来てくれたので大体こんな感じですという無茶苦茶アバウトな説明をして、いざスタート。先週、anotherNさんがおっしゃってくれた、「なんとかなるで~」という言葉だけが頼りだ。
船台が沈んで船をその上に移動させる。今回のためにロープを固定するギミックも用意した。クランプ2個の即席のクリートだ。
和歌浦に比べると船台のサイズが小さいので前の立つ棒は使えない。ポールにしっかりロープを括り付け合図をする。ゆっくり船台が動き始める。動く速度がゆっくりなので固定位置を維持するのは楽だ。
案ずるより産むが易し。無事に船は陸上に揚がってきた。
次は洗浄作業。ここにも高圧洗浄機の設備がある。和歌浦に比べると広範囲には飛ばないがその分圧力はこっちのほうが高いようで古い塗料がボコボコ飛んでいく。まんべんなく掃除するにはちょっとコツがいりそうだ。
そして、船台の高さもこっちのほうが高い。シャフトを磨いたりキールの部分を掃除するのは楽なのだが舵のブラケットの掃除はちょっと背伸びをしなければならない。
まあ、慣れだと思うが、僕は、「Don‘t think! Feel.」ならぬ、「Can‘t think! Feel.」という脳みそなので、場所が変わるといつもの段取りがわからなくなり、スクリューを磨いているときにはアームカバーを付けるのを忘れ、塗装をするときにフェイスガードを忘れ、顔中体中赤いしぶきだらけになってしまったが、anotherNさんが作業を手伝ってくれたこともありすべての作業を順調に終えることができた。
船底の汚れ具合だが、フジツボはほとんど付着していなかった。代わりに、コケが一面に付着している。やはり間違いなく水質が変化している。そんな話をしていると、anotherNさん曰く、花王が汚水を流さなくなったからじゃないかとのこと。つい最近まで、夜釣りに行くと、どこからともなく石鹸の臭いが漂ってきたが、最近はそれがまったくないらしい。奴らは夜陰に紛れて汚水をたれ流していたのだろうか・・。
雑賀崎の人たちに聞くと、こっちでは年に1回掃除するだけで十分だそうだ。確かに和歌浦も雑賀崎も明らかに水軒よりも海水の透明度は高い。水軒ももう少し透明度が上がれば僕も年1回の作業で済むのかもしれないが・・。
そして、港から歩いてトンネルを抜けて10分というのもありがたいし、なにより税込み5000円というのが今時すごい値段だ。
こういったことを教えてくれるほど、意外と言ってはなんだがここの人たちも優しい。anotherNさんの顔というところもあるのだろうが、こういう場所というのはよそ者には冷たいというは一般的によく言われていることだ。
先週下見に行った時も、以前にこの場所で会った人が、僕のことを覚えていてくれていて、「あんた、来週揚げるんやね。時間があったら見に来ちゃるわ。」と声をかけてくれるし、同じく、anotherNさんと別ルートで紹介してもらった人も昼過ぎに様子を見に来てくれた。
田舎というのは閉鎖的というが、それはきっと思い込みに過ぎないのではないかと思えてくる。
日本のアマルフィの前で船をゴシゴやるというものなかなか心地よい。
anotherNさんには迷惑千万なのかもしれないが、次もぜひお手伝いをしていただきたいと願っている。
※ anotherNさんという人は、首相の爆弾襲撃事件のときのニュースで流れた動画を撮影した人でもあるのである。
その前に、一昨日、シンナーが切れていたので買いに行った船具屋さんで面白いものを見つけた。
おそらく60代くらいのひとでなければ使った記憶がないのかもしれないが、肥後守だ。かくいう僕も実際に使ったことはない。多分、両親もナイフなんて危ないという主義だったのか、そういったものを持たせてくれることもなかった。だからこれを見た時、と小さい頃の憧れなのだろうか、思わず「これって売ってくれるんですか?」と聞いてしまったのだ。なんだかうれしいものを手に入れたので明日の上架作業はきっとうまくいくという何の根拠もない確信を持てたのである。
ブログに何度か書いてきたが、今まで使わせてもらっていた和歌浦のスロープが大幅値上げとなり実質的に使わせてもらえなくなってしまった。
代わりの場所を探さねばならないのだが、正攻法ならドックを備えた修理屋さんの設備を使うところだ。しかし、以前に使った場所の印象が悪く、ヒロシじゃないが、僕の船にはきっと漁港の風景がばえるはずだといろいろな人たちの伝手を頼って結局、一番近くの雑賀崎漁港にたどり着いた。こういうのを青い鳥現象というのだろう。
ただ、ここを使う条件として、何もかも自分でやらねばならないということがネックとなった。結局、最終的にここの管理人さんを紹介してくれた同じ港に船を係留しているanotherNさんにウインチの操作をお願いした。
とはいっても僕もanotherNさんもこういうことをした経験がない。作業の大体の流れは和歌浦で経験しているがそれはちからさんの経験値だけが頼りであった。
だから、昨日まで頭の中で何度もシミュレーションして作業に臨んだ。待ち合わせ時間寄りの早く雑賀崎漁港の岸壁に船を着け初めてウインチの操作を練習してみる。
事前に管理人さんから電源スイッチの場所やボタン操作の方法を教えてもらっていたものの、最初にボタンを押したときにすごい音がしたのでいきなり驚いてしまった。
anotherNさんが来てくれたので大体こんな感じですという無茶苦茶アバウトな説明をして、いざスタート。先週、anotherNさんがおっしゃってくれた、「なんとかなるで~」という言葉だけが頼りだ。
船台が沈んで船をその上に移動させる。今回のためにロープを固定するギミックも用意した。クランプ2個の即席のクリートだ。
和歌浦に比べると船台のサイズが小さいので前の立つ棒は使えない。ポールにしっかりロープを括り付け合図をする。ゆっくり船台が動き始める。動く速度がゆっくりなので固定位置を維持するのは楽だ。
案ずるより産むが易し。無事に船は陸上に揚がってきた。
次は洗浄作業。ここにも高圧洗浄機の設備がある。和歌浦に比べると広範囲には飛ばないがその分圧力はこっちのほうが高いようで古い塗料がボコボコ飛んでいく。まんべんなく掃除するにはちょっとコツがいりそうだ。
そして、船台の高さもこっちのほうが高い。シャフトを磨いたりキールの部分を掃除するのは楽なのだが舵のブラケットの掃除はちょっと背伸びをしなければならない。
まあ、慣れだと思うが、僕は、「Don‘t think! Feel.」ならぬ、「Can‘t think! Feel.」という脳みそなので、場所が変わるといつもの段取りがわからなくなり、スクリューを磨いているときにはアームカバーを付けるのを忘れ、塗装をするときにフェイスガードを忘れ、顔中体中赤いしぶきだらけになってしまったが、anotherNさんが作業を手伝ってくれたこともありすべての作業を順調に終えることができた。
船底の汚れ具合だが、フジツボはほとんど付着していなかった。代わりに、コケが一面に付着している。やはり間違いなく水質が変化している。そんな話をしていると、anotherNさん曰く、花王が汚水を流さなくなったからじゃないかとのこと。つい最近まで、夜釣りに行くと、どこからともなく石鹸の臭いが漂ってきたが、最近はそれがまったくないらしい。奴らは夜陰に紛れて汚水をたれ流していたのだろうか・・。
雑賀崎の人たちに聞くと、こっちでは年に1回掃除するだけで十分だそうだ。確かに和歌浦も雑賀崎も明らかに水軒よりも海水の透明度は高い。水軒ももう少し透明度が上がれば僕も年1回の作業で済むのかもしれないが・・。
そして、港から歩いてトンネルを抜けて10分というのもありがたいし、なにより税込み5000円というのが今時すごい値段だ。
こういったことを教えてくれるほど、意外と言ってはなんだがここの人たちも優しい。anotherNさんの顔というところもあるのだろうが、こういう場所というのはよそ者には冷たいというは一般的によく言われていることだ。
先週下見に行った時も、以前にこの場所で会った人が、僕のことを覚えていてくれていて、「あんた、来週揚げるんやね。時間があったら見に来ちゃるわ。」と声をかけてくれるし、同じく、anotherNさんと別ルートで紹介してもらった人も昼過ぎに様子を見に来てくれた。
田舎というのは閉鎖的というが、それはきっと思い込みに過ぎないのではないかと思えてくる。
日本のアマルフィの前で船をゴシゴやるというものなかなか心地よい。
anotherNさんには迷惑千万なのかもしれないが、次もぜひお手伝いをしていただきたいと願っている。
※ anotherNさんという人は、首相の爆弾襲撃事件のときのニュースで流れた動画を撮影した人でもあるのである。