イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「フィッシュ・オン」読了

2008年03月21日 | Weblog
開高健「フィッシュ・オン」読了
開高健が書いたおそらく最初の釣りの紀行文だ。
BSの日本釣り紀行で夢枕獏が奥只見の銀山湖で釣りをする回があってそれをみて久しぶりに本棚から取り出してみた。

アラスカから北欧、ヨーロッパ、アフリカ、釣りをするだけでなく内紛を抱えるナイジェリアやベトナムへも向かおうとするルートが書かれている。
彼の平和への思いや自然保護に対する姿勢の原点が書かれているような本である。

最初の方に大きなサーモンをヒットさせた親子の話が出てくる。
サーモンをヒットさせた子供に親は声をかけるが手助けはしない。自分で掛けた魚はじぶんであげなければならないのだと声援だけを送る。
子供はどんなときもこの言葉を忘れないだろうと続いている。
僕もよく父親に怒られた。魚を取り逃がして叱られ、魚をすくい損ねては叱られ・・。多分ほめられたこともあったのだろうが記憶は叱られてことだけが残っている。しかし、その叱られたことが今でも釣りの技術を磨いていく上での道筋になっているのは確かだ。「糸を出すな、竿を立てろ・・・」などなど。

「魚釣りには師匠が必ずいる。」とも書かれているがきっとこの道筋を示してくれる人が必要なのだと言っているのだろう。
だから師匠のいない釣り人より僕は少しだけ幸せな釣り人なのかもしれないと思ったのであった。
そしてそれを今のところ子供に伝えられない自分がもどかしくもあるのである。
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