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八木・ボン・秀峰 「世界のビジネスエリートが大注目! 教養として知りたい日本酒」読了
結論から書くと、読んでも読まなくてもどちらでもいい本であった。本当に世界のビジネスエリートが大注目していたのだろうか・・。ビジネスエリート“たち”と複数形になっていないところに本当の意味が含まれているのかもしれない・・。
去年、日本酒が世界遺産になったし、“教養として”という言葉が書かれていたので何か新しい薀蓄を知ることができるかと思ったけれども、4分の3は個別の日本酒の銘柄の紹介で、残りは著者の実業家としての自慢話のような構成になっていた。
僕の口には到底入らない高級品を造る蔵の製品ばかりが紹介されているようなのでまったく興味が湧いてこない。
著者は若くしてアメリカに渡り日本食レストランをいくつも経営している人らしく、選ばれている蔵も海外への輸出を志向しているところが多くて、かなり偏っているようにも思えてしまう。著者は、自分がいかに海外への日本酒の普及に取り組んできたのかということをたくさん書いているが、そこで紹介されている日本酒は名前からして日本酒離れしている。まあ、これが自国のものを海外に売っていくためのマーケティングの手本だと言われればそうなのかなとも思うが、僕が知りたいと思うのはそこではない。
そして、何のスキルもなく成し遂げたいこともなくここまで来てしまった僕には著者のような成功した人は眩しすぎる。特に、人身事故があった日に、これでは今日は往復の通勤時間が5時間を超えてしまうと思うと一体僕は何をしているのだ・・。
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そんなに時間をかけてまでやる仕事ではないと振替輸送の車内でこの本を読みながら悲しくなるのである。
起きている時間の3割ほどを電車の中で過ごしていると、今日の1時間のロスタイムは、飛びこんだあなたの人生よりも重いのだよと悪態をついてしまう。著者がよけいに眩しく見える日なのである。
本を読み終えて出版社を見てみると、PHP研究所であった。なるほど、この出版社なら主眼は日本酒ではなくビジネスなのだと納得した。
しかし、日本の文化として日本酒を広めたいというのなら日本語の使い方には注意してもらいたと思う。
神社の紹介のところで「名刹」という言葉を使っていたり、「計り知れない時をかけて浄化された雪解け水」というなんだか矛盾した表現があったりする。この出版社の校閲係りは気にならなかったのだろうか。それとも著者は意外とワンマンで人の言うことを聞かないから遠慮してしまったのだろうか。
どちらにしてもこういう些細な間違いがあると本の中身全体の信頼感を損なってしまう。
そういう意味でも読んでも読まなくてもどちらでもよい本であったと思えるのである。
結論から書くと、読んでも読まなくてもどちらでもいい本であった。本当に世界のビジネスエリートが大注目していたのだろうか・・。ビジネスエリート“たち”と複数形になっていないところに本当の意味が含まれているのかもしれない・・。
去年、日本酒が世界遺産になったし、“教養として”という言葉が書かれていたので何か新しい薀蓄を知ることができるかと思ったけれども、4分の3は個別の日本酒の銘柄の紹介で、残りは著者の実業家としての自慢話のような構成になっていた。
僕の口には到底入らない高級品を造る蔵の製品ばかりが紹介されているようなのでまったく興味が湧いてこない。
著者は若くしてアメリカに渡り日本食レストランをいくつも経営している人らしく、選ばれている蔵も海外への輸出を志向しているところが多くて、かなり偏っているようにも思えてしまう。著者は、自分がいかに海外への日本酒の普及に取り組んできたのかということをたくさん書いているが、そこで紹介されている日本酒は名前からして日本酒離れしている。まあ、これが自国のものを海外に売っていくためのマーケティングの手本だと言われればそうなのかなとも思うが、僕が知りたいと思うのはそこではない。
そして、何のスキルもなく成し遂げたいこともなくここまで来てしまった僕には著者のような成功した人は眩しすぎる。特に、人身事故があった日に、これでは今日は往復の通勤時間が5時間を超えてしまうと思うと一体僕は何をしているのだ・・。
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そんなに時間をかけてまでやる仕事ではないと振替輸送の車内でこの本を読みながら悲しくなるのである。
起きている時間の3割ほどを電車の中で過ごしていると、今日の1時間のロスタイムは、飛びこんだあなたの人生よりも重いのだよと悪態をついてしまう。著者がよけいに眩しく見える日なのである。
本を読み終えて出版社を見てみると、PHP研究所であった。なるほど、この出版社なら主眼は日本酒ではなくビジネスなのだと納得した。
しかし、日本の文化として日本酒を広めたいというのなら日本語の使い方には注意してもらいたと思う。
神社の紹介のところで「名刹」という言葉を使っていたり、「計り知れない時をかけて浄化された雪解け水」というなんだか矛盾した表現があったりする。この出版社の校閲係りは気にならなかったのだろうか。それとも著者は意外とワンマンで人の言うことを聞かないから遠慮してしまったのだろうか。
どちらにしてもこういう些細な間違いがあると本の中身全体の信頼感を損なってしまう。
そういう意味でも読んでも読まなくてもどちらでもよい本であったと思えるのである。
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