先日銀座松屋でやっている「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」へ行ってきました。
昨年夏に渋谷でやっていた、レオ=レオニ展へ行ったとき
ものすごい混みようで大変だったため、今回は平日をチョイス。
それでも混んでいました。子連れ、文庫の人、デートと、幅広い年齢層に人気があるのは、ぐりとぐらだから!
ぐりとぐら関係の絵本の原画がどうしても見たくて行ったのですが
やっぱり原画はよかったです!!
絵の具のにじみ具合や、細かい植物や料理も丁寧に書かれてあり
絵本と比べると、断然原画の方が色の濃淡などもキレイでした。
絵があまり変わっていない印象を受けていたのですが
最初の頃より最近の方が、服のデザインが凝っていたり
絵を描くのに余裕がてきた感じが、2000年代の作品から伝わってきました。
中川李枝子さんも山脇(大村)百合子さんも、石井桃子さん(1)から多くのアドバイスを受けたようで
なるほど!!あの文章は石井桃子さんの影響か!!
と、妙に納得してしまいました。
宮崎駿さんとの対談も、一部映像で流れており
あの宮崎駿さんも、中川李枝子の発想に驚かれており
保育現場を知る人の考え方というのは子ども目線で素敵だなと思いました。
そう、このお二方の作品は子ども目線で子どもの世界を描いているので
児童書なんかはとても読みやすいです。
元気な男の子が出てくる作品は、男の子の共感を誘いますし
いたずらを肯定している作品も多く、安心して読めますし、
子ども達は「自分は愛されているな」と感じることができます。(2)
そして、会場でぐりとぐら誕生50周年を記念して発売された
『てんじつき さわるえほん ぐりとぐら』(3)があったので
早速触ってみたところ、あまりの出来のよさに感動!!
絵の位置や大きさなど、読み手のことを考えて作られた、さわる絵本なのですが
今まで図書館でふつうの『ぐりとぐら』の絵本に点字シールを貼った絵本を
見たことがありましたが、絵はわかりませんでした。
しかし、この絵本の登場によって、今までぐりとぐらがどんなのねずみなのか、
わからなかった人たちが、ぐりとぐらに出合える!!と思いました。
卵は実際の絵本寄り大きく、カステラのふっくら具合も手で触って分かります。
ぐりとぐらは、服のデザインで違いが分かるようになっており
作者の読者に対する愛が伝わってきました。
原画展に行けそうな方は、ぜひ足を運んでみてください。
絵本では伝えきれなかった絵の美しさを、原画で確認することができますから!
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【注】
(1)戦後の日本の児童文学に大きく貢献。児童書の翻訳、研究、作家として活躍。日本の児童文学を語る時に欠かせない人。
翻訳は特に素晴らしく、絵本では『ピーターラビットのおはなし』『ちいさいおうち』『100まんびきのねこ』などを訳している。1907年~2008年。
(2)中川李枝子作、大村百合子絵、子どもの本研究会編集 『いやいやえん』 福音館書店、1962年。中川李枝子作、山脇百合子絵 『けんた・うさぎ』 のら書店、1986年。など、他にもコンビで書いている児童書が多数ある。
(3)中川李枝子作、山脇百合子絵 『てんじつき さわるえほん ぐりとぐら』 福音館書店、2013年。
点字だけでなく、ぐりとぐらやたまごの絵なども、透明な樹脂インクで盛り上げて印刷されている。
【今日読んだ本】
かこさとし作 『どろぼうがっこう だいうんどうかい』 偕成社、2013年。
「『どろぼうがっこう』を読んでから。面白いけれどイマイチ?」(6/100 絵本)
かがくいひろし作 『だるまさんが』 ブロンズ新社、2008年。
「2歳からでも遅くない。幼稚園での読み聞かせにも。」(7/100 絵本)
ニコラス・オールドランド作、落合恵子訳 『せかせかビーバーさん』 クレヨンハウス、2012年。
「ひょんなきかっけで人は見方が変わる!ハッピーエンドにほっこり。」(8/100 絵本)
岸田衿子作、中谷千代子絵 『ジオジオのかんむり』 福音館書店、1978年。
「このコンビ好き。ジオジオの晩年の人生がいいものでよかった。」(9/100 絵本)