先日図書館で『ももいろのきりん』(1)という児童書を借りてきました。
私が小学生の頃、この本の表紙や絵を見た記憶があるので
機会をみつけて読んでみたいと思っていたのです。
以前は小学1年生向けの児童書を読むのも面倒だと思っていた私ですが(2)
最近児童書をいろいろ読むようになったからか、活字に慣れてきて
小学1年生向けくらいの児童書なら、普通に読めるようになりました。
大人になってやっと読めるようになったというのも変な話ですが・・・
念願の『ももいろのきりん』を読み始めたところ
最初の方は絵も記憶にあり、うっすら内容も覚えていたのですが
本の途中から絵への記憶もなくなり、全く記憶にない内容になってきたので
やっぱり小さい頃、途中で読むのに挫折したことがわかりました。
当時桃色が大好きだったので、この本の表紙に興味を持ったのでしょうが
いくら挿絵が多くても、活字の多さにかなわなかったのです。
どうして活字が苦手だったのか・・・今思うと
テレビアニメばかり見ていたことと、兄が漫画好きだったこともあり
本に出会う前にアニメや漫画に走ってしまったのが原因と思われます。
誰かが私に読んでくれたら、この本の世界を楽しめたのでしょうが
「小学生になったら本は自分で読む」という空気が流れていたので
一人で児童書を読むことができない私は、児童書と距離を置くようになっていきました。
けれど、絵本などの絵は好きで『ももいろのきりん』の絵も
かなり鮮明に覚えていたので、活字は苦手ながらも
絵を見て、その物語への想像を膨らませていたのかもしれません。
そう考えると、絵本や児童書の絵は大事だなぁと思います。
文章に触れるのも素敵ですが、絵をじっとみて想像を膨らますことも
とても大切なことだと思うのです。
「あぁ、この絵覚えている!」と記憶にある絵を見ると、私は嬉しくなります。
特に、ももいろのきりんの桃色の美しいこと!
他の色をほとんど絵に取り入れないことで、
「ももいろと いういろは せかい一 きれい」(3)
ということを証明していますし、読者の子ども達もこの桃色を見たら
「せかい一 きれい」という言葉に納得するでしょう。
活字嫌いな子供が、絵を見て本の世界を想像していたのですから
絵本や児童書の絵の力はすごいです。
ただかわいいだけのきりんの絵だったら
絵を見ただけで、ここまで想像を膨らませなかったと思います。
今回は図書館でこの本を借りましたが
娘が『ももいろのきりん』の本が気になるらしく
なんども絵をパラパラめくってみていました。
小さな子にも、このももいろのきりんの魅力が
絵を通じてわかるのかもしれません。
娘がもう少し大きくなったら
この本を我が家に迎え入れたいと思いました。
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【注】
(1)中川李枝子 作・中川宗弥 絵 『ももいろのきろん』 福音館書店、1965年。小学校低学年向けの児童書。
(2)過去ログ
「息子が絵本より児童書を好むように・・・2 とんだオチ」 参照。
(3)『ももいろのきりん』の主人公のるるこがキリカのために歌ってあげる「キリカのうた」の歌詞を一部分を、作品から引用している。
【今日(昨日)読んだ本】
トミー・ウンゲラー 作/たむらりゅういち・あそうくみ 訳 『ゼラルダと人喰い鬼』 評論社 1977年。
「表紙の絵が怖いけれど、ストーリーはほっこり。料理が紹介されているページがお気に入り。」(32/100 絵本)
中川李枝子 作・中川宗弥 絵 『ももいろのきろん』 福音館書店、1965年。
「ももいろという響きがいい。るるこに共感。女の子向き。不変的。」(8/50 児童書)
「ならずもの」「がちょう番の娘」 佐々梨代子・野村ひろし 訳 『子どもに語るグリムの昔話1』 こぐま社、1990年所収。
「ならずものは短いおはなし。面白いけれど私にはイマイチ。」「がちょう番のむすめは、いかにもグリムという感じ。お姫様物で読んでいて楽しい。」(9/40、10/40 おはなし)