外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

子猫のしまちゃんの冒険

2014-07-12 19:07:58 | ヨルダン(猫中心)


うちには現在4匹猫がいる。
母猫と、生後4ヶ月半くらいの子猫3匹の母子家庭。
父猫は同居じゃないけど、よく庭をうろついている。


こんなん。いまだに授乳が続いている。母親はいつも「ちっ、しょうがねえな」とでも言いたげな表情で授乳しているが…



子猫2匹は白猫、残り1匹は黒っぽい縞っていうか斑点っていうか、なんかそういった模様入りだ(わかりますでしょうか)。

今回はその黒っぽい子のおはなし。

この子は、一応「しまちゃん」と名づけた(一応ってなに)。
縞が入ってるからだ。わかりやすいでしょ。
しまちゃんは女の子で(たぶん)、しろちゃんたちに比べて身体が小さいけど、
一番度度胸が座っている。
得意技は、ミルクキープ。
おやつのミルクを皆で奪い合うとき(いっぱいあげるとお腹を壊すので少しだけあげる)、
しまちゃんは前足を1本ぐいっとボウルに突っ込んで自分の方に引き寄せ、独り占めして飲むのだ。
可愛い顔して、あなどれない。




そんなしまちゃんは昨日、昼食時にもおやつの時間にも姿を見せなかった(私が起きるのは昼なので、朝食は普通出さない)。
夕方、庭に探しに行くと、「みゃおうみゃおう」という、いかにも子猫らしい声が聞こえた。
しまちゃんだ。

声をたどって探すと、まもなくしまちゃんの所在地が判明した。
塀のむこうの、隣りのアパートの貯水タンク(たぶん)の上で鳴いていたのだ。
塀から落ちてしまったらしい。
こちらとはだいぶ落差がある。
しまちゃんのジャンプ力では戻ってこれない状態。
しまちゃんは、「うええん、どないしよう~」とでも言いたげな顔で鳴いている。





私も困った。
塀をよじ登ってからあそこまで飛び降り、しまちゃんを抱えてまた戻ってくるような芸当は、
私には一生できない。
どないしよう?

母猫ファーちゃんも心配そうに、しまちゃんの声に答えて、ワアワア騒いでいる。
塀の上には父猫しろさんの姿も見える。
娘の窮状を見て心配になったのかどうかは、その無表情からは読み取れないが・・・

(母猫ファーちゃん。この写真ではアサッテの方角を向いているが、きっと心配してたはず)


(父猫しろさん、何を考えているのかさっぱり読めない男だ)



私は何か使えるものがないかと庭を探し、片隅に打ち捨ててあった木材を拾ってきて、
塀のこちら側から給水タンクの方へ渡した。橋渡しだ。
これを登ってきたら、戻れるかも?と思ったのだ。
でもちょっと細すぎるし、安定も悪いから、失敗したら地面まで真っ逆さまかも・・・

しまちゃんはすぐに私の意図を理解し、果敢に棒渡りに挑戦した。


「よし、行くか」


「猫は気合が大事や!」


「あっ…」



しまちゃんが危険にさらされているというのに(さらしたのは私か)、しろさん退場



木材が安定しなかったせいか、しまちゃんは一瞬ぶら下がり状態になり、慌てて元へ戻った。

…あかん。
やはりしまちゃんには自力救出はまだ無理だ。
これは助けを呼ぶしかない。

私は階段を上り、大家さんの孫たちを呼びに行った。

しかし、戻ってきたとき、しまちゃんはファーちゃんと一緒に庭にいた。



あれ?
どうやって戻ったんだろう?
自力でジャンプして戻ってきたとか?
突然3mくらいジャンプできるようになったというのか?
ましゃか…

私は腑に落ちない気分でいたのだが、今日思いがけなく謎が解けた。

今日もまた、しまちゃんは隣りの給水タンクの上でわあわあ騒いていたのだ。
「またかい。君は二日連続で、同じ過ちを繰り返したのかね」と、あきれつつ見守っていると、
しまちゃんはしばらくうろうろした後、昨日私が降ろした木材をスルスルと伝って戻ってきたのだ。
残念ながら、登ってくるところは撮り損ねたが(だって一瞬だったんだもん)…





なるほど。
私が降ろした木材は役に立っていたわけだ。
しまちゃんは登るコツを飲み込んだのだな。


そういえば、しばらく前にはしろちゃんの1匹が、うちの大家さんの給水タンクの上に登って降りられなくなり、
「みや~みや~みや~」とさんざん助けを求めて心配させた後、しばらくしてからあっさり自力で降りてきたのだった。

こうやって子猫たちは、行動範囲を少しずつ広げていくのだろう。
わかってはいるけど、なんだかいちいち心配だわ~



(おまけ)
今日、しまちゃんが騒いでいる近くで、お構いなしに昼寝してた白猫(父猫しろさんとは別の猫)


コメント
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