また大分間が空いてしまったが、引き続き去年のトルコ旅行の写真を載せる。あと少しだ…
今回は、トルコ南東部のハラン(ハッラーン)に行った時の分。
カッパドキアからカイセリ経由でシャンルウルファにバスで移動して(バスでカイセリから8時間ほど。このルートの航空便はない)そちらで2泊した際、2日目に日帰りでハランに行ったのだ。ハランはウルファ(シャンルウルファはこう呼ばれることが多い)の南方45km前後で、バスターミナルからミニバスで1時間ほどで行ける。シリア国境から近いが、砲弾が飛んでくるほど近くもないようだし(トルコの観光業者のサイトによると25km)対面のシリア側の地域の情勢も安定していたので、問題はないと判断した。
バスで町に着いて歩き出すと、英語が話せるガイドの男性たちが近づいてきて、主要な名所は徒歩では回れないから車で案内すると言ってきたが、私たちはさほど真面目に観光する気がなかったので、遠慮しておいた。自分たちでその辺を散歩して、この地に特有のとんがり屋根の日干しレンガの家(ビーハイブ・ハウス)をいくつか見て回り、写真を撮れればそれでいいのだ。
遺跡のある地区への入口の城門
門の向こうに写っている男の子2人によると、ガイドの男性が言っていた通り、博物館となっている旧家の建物や大学などの観光名所はかなり遠いそうなので、近くに見えているとんがり屋根の家々を見て歩くだけにする。
ざくろの木
古代遺跡にしか見えないが、子供たちによると、この辺にある家屋はさほど古いものではなくて、今も普通に使われているらしい。
国境のシリア側にも、同様の日干しレンガの家が並んでいる地域がある。かつてシリアに滞在していた時、イタリア人やスウェーデン人(イタリア語ペラペラ)の友人たちと観光に行って、とんがり屋根の下で一泊したことがある。どの地方だったか覚えていないが(アレッポ郊外かな?)、バスが通っていない僻地で、有料でヒッチハイクしてたどり着いた記憶がある。
屋根がひらべったい納屋らしき建物もあった。土だけでできているので、雨が降ったらあっさり流れ落ちそう
その辺で遊んでいる子供達に話しかけたら、家に案内してくれた。
とても人なつこくて可愛らしい子供達だった。人柄の良さが顔に出ている。緑のシャツの女の子は、たしか将来先生になりたいと言っていた。(うろ覚え)
とんがりハウスを借りて住んでいるというシリア人の母子も見かけた。最近アレッポから避難してきたという話だった。家の中の様子からみて貧しい家庭のようだったが(入らせてもらった)、ご主人は働いていて、なんとか暮らせているということだった。ハランにはシリア難民キャンプもあるという話だが、場所がわからなかった。
猫発見。ニワトリには興味がなさそう
綺麗な模様の子もいた
塀を登るヤギさんたち
登りきってドヤ顔で周りを見下ろす
古そうな塔。子供たちの説明によると大学の遺跡らしいが、詳細不明
疲れてきたので、ここらで観光を切り上げ、街に出てランチを食べて帰ることにする。
メインストリートをうろうろして、そのへんの人に教えてもらったケバブ屋さんに入る。
入口からは想像もできないほど、中は綺麗で広かった。
アダナケバブ。肉が新鮮で、味付けも焼き方も申し分ない。
お店の人はアラブ系トルコ人で、アラビア語とトルコ語のバイリンガルだった。シリア人の従業員の男の子もいて、和気あいあいと働いていた。ハランはアラブ系トルコ人の住民が多いので、シリア難民も住みやすそうだ。言葉が通じるって大きいと思うのだ。
ケバブ屋の皆さんと携帯で記念撮影などしてから店を出て、近くのお菓子屋さんに入った。
アレッポから避難した青年が働いているアレッポ菓子のお店。
懐かしいシリアのお菓子…
私は基本的に甘いものに興味がないのだが(チョコレート以外)、妹が食べたものを味見させてもらったら、美味しかった。
眩しい日差しと乾燥した空気、日干しレンガのとんがり屋根の家々、家に招いてくれる人なつこい子供たちや、お店の人たちとのお喋り、美味しいケバブやシリアのお菓子…ハラン、最高なんじゃないだろうか。
ハランへの旅は今回のトルコ旅行の頂点だったと思う。またいずれ行きたいものだ。
今、トルコがシリア北部のクルド人勢力支配地アフリーンに侵攻しているが…シリアから早く撤退してくれることを願うばかりだ。トルコの平和のためにも。
(終わり)