
少し前のことです。
0―1で負けていたサッカーポーランド戦の終盤、西野監督が率いる日本は勝利を目ざすことよりも、パス回しをして試合を終えました。
コロンビアがセネガルに勝ったことで、日本は2大会ぶりに決勝トーナメントへ進出できたのですが、西野監督の判断について賛否両論が起きました。
私は、このことについてコメントする立場ではありません。
スポーツは、たとえ追加点を入れられようとも、正々堂々と戦うべきだ。
いや、国を代表して出場しているチームが決勝トーナメントに出るか出ないかは大きなことだ。
大人には、大人の事情がありますし、現場で指揮官が必要だと判断した戦術です。
その判断について、とやかく言うものではありません。
ただし、もし選手が中学生だったならどうかと思う点はあります。
私は校長在任中に、臨時顧問として、剣道の大会に生徒を引率したことがあります。
聞いたところでは、国内の小学生剣道団体戦では、勝つためには手段を選ばないこともあるそうです。
剣道の団体戦は5人ずつで行い、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将と続きます。
先に3勝したら勝ちですが、最初三人が引き分け狙いで戦い、あとの強い二人でチームの勝ちにかかる指導者もいると聞きます。
引き分けにするため、故意に床に倒れると時間が稼げます。
指導者なら、すべての子に全力を尽くすようにと伝え、試合に出すべきです。
ごく一部の少年剣道の話かもしれませんが、勝つことよりも全力を尽くすことを教えるのが教育としての剣道だと思うのです。